2020/09/24 全建/CCUSへの追加出えん決定/奥村太加典会長「追加要請なしの確約が条件」

【建設工業新聞  9月 24日 1面記事掲載】

全国建設業協会(全建、奥村太加典会長)は、建設キャリアアップシステム(CCUS)の追加出えんを決めた。国土交通省から支援要請のあった4800万円を全額拠出する。奥村会長が18日に東京・霞が関の国交省で青木由行不動産・建設経済局長と面会。「今後さらなる追加出えんの要請がないことを確約する条件で了承する」と伝えた。団体ごとに一律の目標設定を求めないよう申し入れた。=2面に関連記事

国交省の要請を受けて費用負担を決めたのは日本建設業連合会(日建連、山内隆司会長)、日本空調衛生工事業協会(日空衛、長谷川勉会長)に続いて3団体目。奥村会長は8日に開かれたCCUS運営協議会総会で委員を務める労働委員会の中筋豊通委員長(島根県建設業協会会長)が総会で申し入れた要望を改めて伝えた。

要望では、官民一体で推進するシステムである以上さらなる国費の投入とともに、普及拡大のために元請や下請、技能者の実質的なメリットを明確にする必要があるとした。収支状況を定期的にチェックし公表するなど再発防止策の徹底も要求した。公共工事の積算にCCUSの経費をすべて見える形で計上することを求めた。郵送申請が廃止になった後も都道府県建設業協会に設けているサポート窓口を存続することも条件とした。

運営協議会の総会では▽料金改定案▽料金改定後の利用促進に関する申し合わせ▽意思決定の見直し▽2020年度の追加開発-の4事項を決議した。団体ごとに登録やカードタッチなどで数値目標を検討することが決まった。奥村会長は「協会ごとに事情や背景は違う。数値を絡めた目標はやめてほしい」と訴え、青木局長は「十分理解している」との認識を示した。

国交省とCCUS運営主体の建設業振興基金(振興基金、佐々木基理事長)は、業界団体に16億円の追加出えんを要請している。当初業界が拠出したのは10億5000万円。▽日建連▽全建▽全国中小建設業協会(全中建、土志田領司会長)▽建設産業専門団体連合会(建専連、才賀清二郎会長)▽日空衛▽日本電設工業協会(電設協、後藤清会長)▽住宅生産団体連合会(住団連、阿部俊則会長)▽全建総連(吉田三男中央執行委員長)▽保証会社▽振興基金-の10者で負担した。

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