2020/09/29 道路舗装各社/コロナ下の採用活動、オンライン面接導入で応募増加

【建設工業新聞  9月 29日 3面記事掲載】

コロナ禍の採用活動で早期にオンライン面接を導入した企業で、学生のエントリー数が例年よりも増加していることが分かった。日刊建設工業新聞社が道路舗装大手8社を対象に調査した。8社中5社が「例年よりも応募数が増加した」と回答。うち4社が増加の理由に「オンライン面接の導入」を挙げた。ただ面接や説明会などをオンラインに切り替えたことで、「企業への理解不足からミスマッチで内定辞退が出るのでは」との懸念も浮上している。

新型コロナウイルスが新卒の採用活動に与える影響などについて質問した。調査期間は8月21~28日。回答企業は▽NIPPO▽前田道路▽日本道路▽鹿島道路▽大成ロテック▽東亜道路工業▽大林道路▽世紀東急工業-の8社。

大卒採用の応募状況について例年との相違点を質問したところ、5社が「学生からの応募数が増加した」と回答。うち4社が「早期にオンライン面接を導入したことにより、応募数は例年より微増した」(世紀東急工業)など、オンライン面接の導入を理由として挙げた。

オンライン面接で遠方の学生の負担が軽減し参加へのハードルが下がったようだ。残りの1社は「コロナ禍による採用スケジュールの変更で学生の就活期間が長期化し、結果的に応募数が増加した」とした。

道路舗装大手では新型コロナによる採用計画数への影響はほとんど見られなかった。21年4月入社は全8社が「影響はない」と回答。22年4月入社以降も全8社が「(現時点で)コロナ禍で計画数を増減する予定はない」と回答した。

一方、コロナ禍で一部の業界では採用数を抑制する動きがあり、その影響で道路舗装業界に応募する学生の属性にも変化があったようだ。大成ロテックでは例年よりも文系学生からの応募が増加。同社はその背景として「他業界の非生産部門職種の採用抑制で、道路舗装業界まで志望範囲を広げた学生が多かったのでは」と分析している。

今後本格化する高卒者向けの採用活動については「学校側と協議し、必要に応じて柔軟に対応する予定」(NIPPO)、「応募前見学は学校が希望しなければ中止し、応募者にはウェブ説明会を開催する」(前田道路)など、学校側と調整しながらオンラインの導入などを模索していることが分かった。

コロナ禍の採用活動の課題では「企業と直接的な触れ合いがないまま入社を決めている学生が多い。内定期間中の辞退が懸念される」(日本道路)、「オンライン化で、職場のイメージを感じ取ることが難しくなる」(鹿島道路)といった業界や自社への理解不足を懸念する声が挙がった。

コロナ禍での今後の採用活動では「22年4月入社では、学生サイドも新型コロナを踏まえた準備をしている。当社も早期のアプローチや、ウェブコンテンツの充実化を予定している」(東亜道路工業)という企業もあった。

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