2020/10/02 国交省/市区町村の業務ダンピング対策実施状況/低入札調査制度など半数が未導入

【建設工業新聞  10月 2日 1面記事掲載】

国土交通省は1日、1月に改定した公共工事品質確保促進法(公共工事品確法)の運用指針に基づき初めて実施した「測量・調査・設計業務に関する調査」の結果を発表した。2019年11月時点で、ダンピング対策(低入札価格調査制度か最低制限価格制度)が未導入の市区町村は全体の約半数に上った。履行時期の平準化は国の業務の8割以上で履行期限が年度末の第4四半期に集中していた。

19年6月施行の改正公共工事品確法に業務が明確に位置付けられた。改正法の趣旨を踏まえ、新しい運用指針には業務に関する取り組み事項を追加・強化。一環として運用指針に基づき公共発注機関が発注関係事務を適切に実施しているかどうかを毎年度調査し結果を公表する。19年度に調査を開始した。

業務4業種(測量、地質調査、土木コンサルタント、建築設計)に関するダンピング対策の状況を見ると、低入札価格調査制度か最低制限価格制度が未導入の市区町村(1721団体)は、全体の54・3%に当たる934団体。特殊法人など(125団体)は全体の34・4%の43団体だった。

国(19団体)の未導入は2団体、都道府県(47団体)が3団体、政令市(20団体)はゼロ。改正公共工事品確法の前回改正(14年6月施行)以降、国と都道府県、政令市ではダンピング対策が浸透しているようだ。

18年度発注のうち第4四半期に履行期限を設定していたのは▽国=86・8%▽特殊法人など=59・0%▽都道府県=58・0%▽政令市=62・9%▽市区町村=49・9%。国交省は債務負担行為の活用など履行時期の平準化に取り組んでおり、18年度実績で第4四半期の納期は66%となっている。

運用指針には業務の発注に当たり、業務内容や地域実情などに応じ、プロポーザル方式や総合評価方式など適切な入札契約方式を選択するよう努めるとしている。プロポーザル方式の未導入状況を見ると▽国7団体▽特殊法人など12団体▽都道府県3団体▽政令市4団体▽市区町村889団体。総合評価方式の未導入は▽国7団体▽特殊法人など80団体▽都道府県17団体▽政令市12団体▽市区町村1593団体-だった。 国交省は今後、発注者協議会や監理課長等会議などを通じて調査結果を共有し、発注関係事務の改善に向け取り組みを推進する。

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