2020/10/07 国交省/建設産業政策2017+10、21年度に進捗状況検証/新たな課題対応も

【建設工業新聞  10月 7日 1面記事掲載】

国土交通省は2021年度、17年7月に策定した提言「建設産業政策2017+10」のフォローアップに着手する。提言内容の進捗(しんちょく)状況をフォローアップするほか、新型コロナウイルスなど新たな課題も対応を検証。今後の方向性を洗い出す。提言を踏まえて実施した施策のうち制度的な対応が必要な内容は改正建設業法などで措置した。会議体を立ち上げるなどし議論を深める。

21年度予算の概算要求で、適正な工期設定・施工時期の平準化などによる働き方改革の推進経費として40百万円を計上。一部を政策提言のフォローアップや調査に充てる。国交省有識者会議が策定した提言は、建設産業が目指すべき方向と、制度を中心とした建設産業政策の在り方を提示している。「直ちに対応すべきもの」は法改正などで対応。21年4月に新・担い手3法が全面施行される。

提言策定以降、大規模な自然災害の多発や新型コロナの流行といった新たな課題が顕在化した。現状を踏まえつつ、提言に盛り込まれた施策のフォローアップや検証を行い、建設産業の健全な発展に向けた対応状況を把握する。

働き方改革の推進経費では、適正な工期設定に向けた取り組みの推進や生産性向上の取り組み強化など、建設産業の働き方改革をさらに推進する。中央建設業審議会(中建審)が作成・実施勧告した「工期に関する基準」は、民間発注工事での活用状況を調査・分析し活用事例などを周知。内容拡充なども検討する。

全自治体の平準化の取り組み状況を「見える化」し、各団体に個別で改善を支援する。ICT(情報通信技術)の活用など生産性向上の取り組みについて、国内の先導的事例や海外事例を調査。優れた取り組みを水平展開し、建設業界の生産性向上を後押しする。

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