2020/10/09 国交省/生産性向上チャレンジ工事の試行拡大/取り組みだけでも加点

【建設工業新聞  10月 8日 1面記事掲載】

国土交通省は直轄工事で施工手順の工夫や既存技術の組み合わせなど現場での創意工夫を促し、生産性向上につなげる取り組みをさらに後押しする。2018年度に試行を開始した「生産性向上チャレンジ工事」の対象を原則すべての工事に拡大。受注者が提案した取り組みが実施されたり、効果が確認できたりすると工事成績評定で加点する。取り組み事例集も作成し試行実施の参考にしてもらう。

生産性向上チャレンジ工事は工事契約後の施工段階で、受注者が生産性を高めるために実施する現場での工夫や改善を促進するのが狙い。19年度は入札説明書に試行対象と記載した工事143件のうち、実施されたのは14件にとどまった。国交省は取り組みの拡大を目的に試行要領を改定し、10月の公告案件から適用した。

試行要領では対象工事を、各地方整備局などで実施される「原則すべての工事」とした。取り組み方法を明確化し、発注時に試行対象工事であることを入札説明書に明記して契約後、受注者は省人化など生産性向上につながる取り組みを発注者に提案。施工計画書に「生産性向上チャレンジ」の項目を設け、取り組み内容や期待できる効果などを明記する。

記載内容は施工手順の工夫や省人化などの取り組みとなるが、技術提案で提案済みの内容や、ICT(情報通信技術)活用型といった新技術活用工事は除く。人員削減や作業時間削減など定量的な効果を示せる場合は、記載するとともに効果の確認方法を明記する。

完了検査までに実施内容や効果を報告する。効果が確認できなくても試行に取り組むと工事成績評定の「創意工夫」の項目で0・4点を加点。定量的な効果が確認できた場合は0・8点を加点する。次回入札時の評価に反映される。

これまでの事例を収集して「生産性向上チャレンジ工事の取り組み事例集」を作成。今後も事例を集めていき、事例集を拡充していく予定だ。

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