2020/10/09 戸田建設/タワークレーンの3D自動誘導システム開発/20年度内に実現場で試行

【建設工業新聞  10月 8日 3面記事掲載】

戸田建設は、タワークレーンの3D自動誘導システムを開発した。BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)などを活用してクレーン操作を自動化。オペレーターの負担軽減や安全性・効率性の向上、作業所の省エネルギー化につなげる。現在、東京都内の作業所などで衛星やセンサーのデータを集積・分析している。年度内に実現場で試行を開始し、2021年度の本格導入を目指す。

同システムは鉄骨BIMと施工計画のデータ活用、揚重部材の自動判別、移動ルートの自動通過点算出という要素技術で構成する。まず鉄骨製作図のBIM情報を基に部材ごとで時間軸(施工順序)と部材情報を付加したデータを作成。揚重部材の自動判定システムで荷取り地点の揚重部材に取り付けられたRFIDタグを読み取り、オペレーターがモニター上でBIMデータと照合する。その後、読み取った部材ごとのつり荷通過ポイントを自動通過点算出システムで算出し、データをタワークレーンに伝える。これにより自動運転を開始し、荷取り地点から取り付け位置まで自動誘導する。

揚重部材の位置や姿勢制御は、クレーンに搭載したGNSS(全球測位衛星システム)などで鉄骨部材やブーム先端の位置・加速度などの情報を把握でき、夜間・悪天時でも安全で効率的に自動運転を行える。

同社は鉄骨部材などの揚重作業の自動化を目指している。これまでに画像処理技術を用いたつり荷旋回制御装置や衛星測位技術を使ったタワークレーンの2D自動誘導システムを実用化。同社はこれらをベースにシステムをバージョンアップした。

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