2020/10/12 国交省/許可・経審の電子申請システム機能拡充/21年度は他省庁や民間との連携検討

【建設工業新聞  10月 9日 1面記事掲載】

国土交通省は2021年度、建設業許可や経営事項審査(経審)の電子申請システムの利便性向上に向けた検討をさらに進める。22年度の運用開始を目指して20年度から調査・検討を本格化。21年度は他省庁保有のシステムと連携する仕組みを開発するとともに、民間システムとの連携について検討する。申請企業、許可行政庁とも一つのシステムだけで申請や確認作業が完了。双方にとって生産性の向上が期待できる。

21年度予算の概算要求で、許可・経審の電子申請システムの機能拡充経費として2億円を計上した。

許可や経審の手続きは現在、書面で行われているため、準備や審査が申請企業、許可行政庁(地方整備局、都道府県)の双方にとって過大な負担になっている。コロナ禍で非対面の手続きを可能とし、企業と行政庁双方の負担を軽減する観点から、国交省は申請手続きを電子化する「許可・経審システム」を構築する。

電子化に当たっては、建設業情報管理システム(CIIS8)に蓄積されている情報との連携にアプリケーションを活用するなど、手続きの合理化方法を検討。20~21年度に許可・経審システムを構築し、22年度から本格運用する予定だ。

申請時には納税証明書や登記簿謄本、保険加入といった書類も提出する。国税庁や法務省など各省庁が保有する各種システムから書類を取得する必要があり、準備する申請企業、確認する許可行政庁双方にとって負荷が高い。20年度は独立している各種システムと、新たに構築する許可・経審システムとのバックヤード連携を検討している。

21年度は民間システムとのバックヤード連携について検討する。民間機関が保有する技術検定等合格証明書や監理技術者講習修了書といった許可、経審で必要なデータを各システムから取得できるかどうか検証する。22年度に許可・経審システムの機能追加のための開発を想定している。

このほか国交省は行政手続きのオンライン化の一環として、21年度予算の概算要求で、技術者に関する書類の電子化の検討経費に約19百万円を計上した。技術検定の受験や監理技術者資格者証の取得には、実務経験証明書などの書類が必要となる。

3密(密閉・密集・密接)を避けた申請方法を確立するため、実務経験証明書などの電子化やデータの活用を検討する。

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