2020/11/27 全建首脳/自民党3役に意見書提出/国土強靱化を5カ年延長、当初予算で別枠確保を

【建設工業新聞  11月 27日 2面記事掲載】

全国建設業協会(全建)の奥村太加典会長ら首脳が東京・永田町の自民党本部を25日に訪れ、二階俊博幹事長と佐藤勉総務会長、下村博文政務調査会長の3人に2021年度公共事業予算などの要望を行った。激甚・頻発化する大規模災害を踏まえ、「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」(18~20年度)終了後も対策の内容を拡充し、新たに来年度から5カ年の対策として閣議決定するよう要請した。

全国9地区で10月に開催した国土交通省との地域懇談会・ブロック会議の議論を踏まえて要望・意見書をまとめた。国土強靱化関係予算はこれまでの実績を上回る必要かつ十分な規模で当初予算に特別枠で計上するよう求めた。コロナ禍を克服するための景気の下支えや各地の災害からの復旧・復興の加速化を図るため、公共事業を含む大規模な補正予算の早期編成が必要だと訴えている。施工余力はあるとし、今後の公共工事の執行に問題は生じていないとした。

新・担い手3法の趣旨をすべての公共工事発注者に周知徹底し、災害時の緊急性に応じた随意契約や指名競争入札の活用、繰り越し手続き、債務負担行為の活用などによる施工時期の平準化、休日や準備期間、天候などを考慮した適正な工期の設定を求めた。1月に策定された「発注関係事務の運用に関する指針」の徹底を同時に求めた。

従来の技能者に加え、技術者の処遇改善の必要性に言及した。現場管理費と一般管理費の引き上げを行うとともに、積算での別枠計上の検討を促した。働き方改革を迅速に進める観点から週休2日の実施に伴う補正係数の引き上げ、週休2日制工事のさらなる拡充を要望した。

建設キャリアアップシステム(CCUS)について、加入企業、登録技能者双方のメリットが必要だと指摘。▽カードのレベルに応じた設計労務単価の導入▽建設業退職金共済(建退共)の退職金の割り増し▽総合評価方式の加点-などを例示し、具体的なメリットを早急に明示するよう求めた。登録や機器導入の負担を軽減するため、公共工事の積算計上、税制上の優遇措置、登録手続きの簡素化が必要だとした。

災害緊急対応の円滑化を図るため、国、都道府県、市町村が連携した一元的・包括的な指示を要求した。

要望・意見書の提出は奥村会長と今井雅則副会長、千葉嘉春副会長、荒木雷太副会長らが行い、自民党参院議員の佐藤信秋、足立敏之両氏が同行した。

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