2021/01/27 厚労省/第10次建設雇用改善計画案/CCUS普及を強力推進、デジタル人材育成課題

【建設工業新聞  1月 27日 2面記事掲載】

厚生労働省は26日、年度内に策定する「第10次建設雇用改善計画」(2021~25年度)の案を示した。建設キャリアアップシステム(CCUS)を「業界共通の制度インフラ」として定着させるため、官民一体で普及・活用を強力に推進する。社会全体で進むDX(デジタルトランスフォーメーション)の動きを踏まえ、生産性向上などにデジタル技術を活用。デジタル人材の育成を課題にした。

第10次計画案は同日、労働政策審議会(労政審、厚労相の諮問機関)職業安定分科会雇用対策基本問題部会の「建設労働専門委員会」が東京都内で開いた会合に提示し、おおむね了承された。厚労省は3月までに新計画を正式決定する。

担い手の確保・育成を目指し、建設技能者の就業履歴や保有資格を業界内で横断的に蓄積するCCUSの普及・活用を促進。能力評価制度による建設技能者のレベルに応じた賃金目安の公表といった具体的施策も早期に検討、実現させることも明記した。

DXの加速が幅広い業種で広がる中、建設業でも生産性向上や働き方改革の推進にデジタル技術の活用は不可欠となる。第10次計画案には中長期的な課題としてDXに対応できるデジタル人材の育成を掲げた。ニーズを踏まえ、人工知能(AI)やロボット技術などが中心となる「第4次産業革命」に関連する技術を習得できる公的な職業訓練プログラムを開発・実施する考えを示した。

他産業に比べ女性の活躍が進んでいない現状を受け、各種制度の理解促進を重要視。職場のセクシュアルハラスメント防止措置を徹底させるとともに、妊娠や出産を理由とする不利益な扱いに対する事業者への積極的な報告徴収と指導を行う。女性の入職を促進するため、作業装備の軽装化による職域の拡大にも取り組む。

新計画案には最新の動向を踏まえた外国人労働者への対応方針も明記した。技能実習生の適正な受け入れを推進。改正出入国管理法(入管法)で新設した新在留資格「特定技能制度」を活用した人材確保にも引き続き取り組んでいく。

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