2021/02/22 国交省/設計労務単価1・2%引き上げ/コロナ影響踏まえ特別措置、3月1日から適用
【建設工業新聞 2月 22日 1面記事掲載】
国土交通省は19日、公共事業の積算に使う新しい公共工事設計労務単価と設計業務委託等技術者単価を発表した。労務単価は全国・全職種の単純平均で1・2%、技術者単価は全職種の単純平均で1・6%それぞれ引き上げ、3月1日から適用する。労務単価、技術者単価とも新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえて、前年度を下回った単価については前年度単価を据え置く特別措置を講じた。=2面に関連記事、8面に新労務単価の一覧
赤羽一嘉国交相は同日の閣議後の記者会見で、担い手の確保には引き続きの賃金引き上げが重要と強調。「賃金の引き上げが労務単価などの上昇を通じて適正利潤の確保、さらなる賃金の引き上げにつながる。こうした好循環が続くよう、発注者、元請、下請などすべての関係者が改定後の単価の水準などを踏まえ適切な請負代金で契約し、技術者や技能労働者の賃金水準がさらに改善されるよう努めていきたい」と述べた。
本年度はコロナ禍で公共事業労務費調査などを実施。新型コロナの影響により一時的に賃金支払いが抑制されている可能性が懸念されることから、特別措置を実施した上で単価を設定した。労務単価は特別措置の対象が約4割超の地域・職種に及び、前年度比の上昇率は全国・全職種の単純平均で1・2%(措置なし0・4%)。技術者単価は全職種の単純平均で1・6%(1・0%)となった。
新しい労務単価は、全職種の加重平均(日額)で2万0409円。東日本大震災の被災3県(岩手、宮城、福島)は全国平均に上乗せし2万2164円とした。通常は4月からの新単価の前倒し適用は8年連続。「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」(2021~25年度)の初年度分を盛り込んだ20年度第3次補正予算を円滑に執行する狙いだ。
対象51職種のうち、サンプル不足で未設定となった職種(建築ブロック工)を除く50職種について都道府県単位で単価を設定した。上昇に転じる前の12年度単価と比較した上昇率は、全国単純平均が53・5%。被災3県単純平均が69・8%となった。
都道府県別で単純平均の上昇率をみると、▽福井▽福岡▽佐賀▽長崎▽熊本▽大分▽宮崎▽鹿児島-8県が1・7%となり、九州エリアで上昇幅が大きくなった。職種別は建具工5・3%、はつり工3・8%、土木一般世話役と高級船員各2・8%、橋りょう世話役と普通船員各2・3%、ブロック工2・2%となった。
□技術者単価1・6%上昇、9年連続アップ□
21年度設計業務委託等技術者単価の全20職種の平均は前年度より1・6%上がって4万0890円となった。全職種平均の単価は9年連続で上昇した。
業務別の平均は設計業務(7職種)が4万9471円(1・9%上昇)、測量業務(5職種)が3万4040円(1・3%上昇)、航空・船舶関係業務(5職種)が3万8580円(1・3%上昇)、地質調査業務(3職種)が3万6133円(1・3%上昇)。20職種のうち日額が最も高いのは設計業務の主任技術者の6万9800円だった。
技術者単価は、国交省が発注する公共工事の設計業務として実施するコンサルタント業務、測量業務などの積算に用いるもので、毎年実施している給与実態調査結果に基づいて決める。今回の改定で12年度単価に比べて30・9%上がったことになる。
単価は、所定労働時間内8時間当たりの基本給相当額、諸手当(役職、資格、通勤、住宅、家族、その他)、賞与相当額、事業主負担額(退職金積立、健康保険、厚生年金保険、雇用保険、労災保険、介護保険、児童手当)で構成。時間外、休日、深夜の労働に伴う割増賃金、各職種の通常の作業条件や作業内容を超えた労働に対する手当は含まれていない。
このうち割増賃金の算出に用いる「割増対象賃金比」は、20職種うち15職種で変更となった。割増賃金は、各単価を1時間当たりの額に割り戻した上で、時間数と割増対象賃金比を掛けて算出する。
□電気通信0・7%、機械設備工は1・0%引き上げ□
21年度電気通信関係技術者等単価の全5職種の平均は前年度より0・7%引き上げとなった。全職種平均の単価は10年連続の上昇。今回の改定で12年度単価に比べて20・8%上がったことになる。
職種別の基準日額は、電気通信技術者が3万1900円(割増対象賃金比64%)、電気通信技術員が2万1500円(64%)、点検技術者が3万2100円(65%)、点検技術員が2万4700円(65%)、運転監視技術員が2万4700円(65%)となった。
機械設備工事積算に関する標準賃金(日額)は、機械設備製作工が2万5400円(割増対象賃金比は未設定)、機械設備据付工が2万4400円(0・661%)。2職種の平均は前年度より1・0%引き上げとなり、9年連続の上昇。今回の改定で12年度単価に比べて18・3%上がったことになる。
赤羽一嘉国交相は同日の閣議後の記者会見で、担い手の確保には引き続きの賃金引き上げが重要と強調。「賃金の引き上げが労務単価などの上昇を通じて適正利潤の確保、さらなる賃金の引き上げにつながる。こうした好循環が続くよう、発注者、元請、下請などすべての関係者が改定後の単価の水準などを踏まえ適切な請負代金で契約し、技術者や技能労働者の賃金水準がさらに改善されるよう努めていきたい」と述べた。
本年度はコロナ禍で公共事業労務費調査などを実施。新型コロナの影響により一時的に賃金支払いが抑制されている可能性が懸念されることから、特別措置を実施した上で単価を設定した。労務単価は特別措置の対象が約4割超の地域・職種に及び、前年度比の上昇率は全国・全職種の単純平均で1・2%(措置なし0・4%)。技術者単価は全職種の単純平均で1・6%(1・0%)となった。
新しい労務単価は、全職種の加重平均(日額)で2万0409円。東日本大震災の被災3県(岩手、宮城、福島)は全国平均に上乗せし2万2164円とした。通常は4月からの新単価の前倒し適用は8年連続。「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」(2021~25年度)の初年度分を盛り込んだ20年度第3次補正予算を円滑に執行する狙いだ。
対象51職種のうち、サンプル不足で未設定となった職種(建築ブロック工)を除く50職種について都道府県単位で単価を設定した。上昇に転じる前の12年度単価と比較した上昇率は、全国単純平均が53・5%。被災3県単純平均が69・8%となった。
都道府県別で単純平均の上昇率をみると、▽福井▽福岡▽佐賀▽長崎▽熊本▽大分▽宮崎▽鹿児島-8県が1・7%となり、九州エリアで上昇幅が大きくなった。職種別は建具工5・3%、はつり工3・8%、土木一般世話役と高級船員各2・8%、橋りょう世話役と普通船員各2・3%、ブロック工2・2%となった。
□技術者単価1・6%上昇、9年連続アップ□
21年度設計業務委託等技術者単価の全20職種の平均は前年度より1・6%上がって4万0890円となった。全職種平均の単価は9年連続で上昇した。
業務別の平均は設計業務(7職種)が4万9471円(1・9%上昇)、測量業務(5職種)が3万4040円(1・3%上昇)、航空・船舶関係業務(5職種)が3万8580円(1・3%上昇)、地質調査業務(3職種)が3万6133円(1・3%上昇)。20職種のうち日額が最も高いのは設計業務の主任技術者の6万9800円だった。
技術者単価は、国交省が発注する公共工事の設計業務として実施するコンサルタント業務、測量業務などの積算に用いるもので、毎年実施している給与実態調査結果に基づいて決める。今回の改定で12年度単価に比べて30・9%上がったことになる。
単価は、所定労働時間内8時間当たりの基本給相当額、諸手当(役職、資格、通勤、住宅、家族、その他)、賞与相当額、事業主負担額(退職金積立、健康保険、厚生年金保険、雇用保険、労災保険、介護保険、児童手当)で構成。時間外、休日、深夜の労働に伴う割増賃金、各職種の通常の作業条件や作業内容を超えた労働に対する手当は含まれていない。
このうち割増賃金の算出に用いる「割増対象賃金比」は、20職種うち15職種で変更となった。割増賃金は、各単価を1時間当たりの額に割り戻した上で、時間数と割増対象賃金比を掛けて算出する。
□電気通信0・7%、機械設備工は1・0%引き上げ□
21年度電気通信関係技術者等単価の全5職種の平均は前年度より0・7%引き上げとなった。全職種平均の単価は10年連続の上昇。今回の改定で12年度単価に比べて20・8%上がったことになる。
職種別の基準日額は、電気通信技術者が3万1900円(割増対象賃金比64%)、電気通信技術員が2万1500円(64%)、点検技術者が3万2100円(65%)、点検技術員が2万4700円(65%)、運転監視技術員が2万4700円(65%)となった。
機械設備工事積算に関する標準賃金(日額)は、機械設備製作工が2万5400円(割増対象賃金比は未設定)、機械設備据付工が2万4400円(0・661%)。2職種の平均は前年度より1・0%引き上げとなり、9年連続の上昇。今回の改定で12年度単価に比べて18・3%上がったことになる。
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