2021/03/29 国交省/中堅・中小向け金融3事業延長/経営強化融資26年度まで

【建設工業新聞  3月 29日 2面記事掲載】

◇下請債権保全22年度まで

中堅・中小建設業者や建設業団体向けに国土交通省が創設した金融3事業の延長が決まった。中小で作る事業協同組合などの金融機関から資金借入を債務保証する「信用・指導基金」と、公共工事請負代金債権を担保にして元請の資金調達を支援する「建設業安定化基金」は2026年度末まで5年間、下請が元請に対して持つ工事請負代金の保全を支援することで連鎖倒産を防止する「建設業債権保全基金」は22年度末まで1年間それぞれ延長する。

3基金とも基本スキームを踏襲する。国交省は公共発注機関、建設業振興基金(振興基金)、建設業団体に受け付け期限延長の文書を26日付で送付した。

信用・指導基金は建設業団体や事業協同組合が共同施設の設置、資機材の共同購入など共同事業の実施、組合員に対する転貸融資を行う場合、金融機関から低金利での資金調達を支援。資金供給の円滑化を推進する。基金残高は19年度末で67・5億円。

建設業安定化基金(地域建設業経営強化融資制度)は、公共工事の請負代金代金債権を担保に事業協同組合が工事の出来高に応じて元請に転貸融資を行う。組合が金融機関から転貸資金を調達する際に振興基金が債務保証することで低利での資金調達を可能にする。19年度末で141・62億円の基金残高となっている。

建設業債権保全基金(下請債権保全支援事業)は、下請企業などが元請に対して持つ工事請負代金債権の支払いをファクタリング会社が保証。元請からの債権回収が困難な場合、下請の保証債務の履行により保証金を支払い、下請代金債権を保全する。これにより、下請や資材業者の経営・雇用安定化と連鎖倒産防止を図る。基金残高は21年1月末時点で30億円。

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