2021/04/02 国交省、厚労省/建退共制度の電子申請方式本格実施/CCUS一体運用

【建設工業新聞  4月 2日 1面記事掲載】

国土交通、厚生労働両省は建設業退職金共済(建退共)制度の適正履行の確保に向け、建設キャリアアップシステム(CCUS)を活用した電子申請方式を本格実施する。建退共制度とCCUSを一体的に運用し、工事ごとの就労実績報告と掛け金充当を確実、容易にする。従来の証紙貼付方式も書類管理などを見直し、工事別の掛け金充当を確実に記録する。公共工事は4月以降の発注案件から運用。民間工事も公共工事に準じた対応を求める。

CCUSの普及・活用に向けた官民施策パッケージでは、2023年度からあらゆる工事で完全実施に向けた道筋の一つとして、「建退共のCCUS活用への完全移行」を位置付けた。技能者の就労実績を掛け金充当につなげるため、CCUSに蓄積された就労実績を活用することを原則化する。

21年度から建退共の電子申請方式の導入に伴い、公共工事で適正履行の確保と一体でCCUSの活用を促す。建退共の履行確認時に発注者がCCUSの現場登録の状況や、就業履歴の蓄積状況などを確認。建退共との連携によりCCUSの現場利用を促進する。

電子申請方式は就労状況の報告にCCUSを活用し、より正確で効率的な申請が可能。証紙貼付方式と比べ事務負担が軽減できる。証紙貼付方式は現行の書類作成を徹底し、新たな様式も導入して履行確認を強化。発注機関は総括表に加えて原則、根拠資料の提示を求める。

履行確認の結果、建退共事務を受託する元請が著しく不適切に処理していることを公共発注機関が把握した場合、適宜指導するとともに必要に応じて許可行政庁に通知。許可行政庁が指導、助言、勧告などの措置を講じる。

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