2021/04/13 国交省/道の駅、第3ステージへの取り組み加速/防災道の駅認定で災害対応機能整備

【建設工業新聞  4月 12日 2面記事掲載】

国土交通省は「道の駅」に防災や生活拠点の機能を加える「第3ステージ」の取り組みを加速する。都道府県ごとに1~2カ所を「防災道の駅」に指定し、広域的な災害対応機能を整備。地域防災計画で避難所に指定される約500駅は、2025年度までにBCP(事業継続計画)を策定する。制度や施策の具体化に向け、月内にも検討業務の委託先を決める公募型プロポーザルを公告する予定だ。

「防災道の駅」の認定制度創設に向けた検討業務を任せる。認定施設には交付金を重点的に配分。貯水タンクや非常用発電設備の設置、建物の耐震化を後押しする。災害時に救援活動や緊急物資の配送、復旧・復興活動の拠点として使える環境を整える。

候補として道の駅「すさみ」(和歌山県すさみ町)=写真=などを想定する。南海トラフ地震による津波の襲来を見据え、国道の復旧拠点として活用する計画。敷地内にはヘリポートや備蓄倉庫が整備済みだ。

地域の生活拠点としての役割にも期待する。具体的には自動運転車のターミナル機能を整備。高齢化が進む山間部で生活の足の確保を助ける。道の駅「かみこあに」(秋田県上小阿仁村)には自動運転サービスが導入済み。村内の道路約4キロに電磁誘導線を埋め、車を誘導する。今後の全国展開を見据える。

国は道の駅の整備を3段階で整理している。第1ステージ(1993年以降)は道路利用者へのサービス施設を整備。現在までに約1200駅を設けた。第2ステージ(13年以降)は道の駅が旅行の目的地の一つとなるよう、魅力向上に取り組んだ。

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