2021/06/11 全建・奥村会長ら首脳会見/次年度以降の予算確保に全力/技能者賃金上昇へ調査検討

【建設工業新聞  6月 10日 1面記事掲載】

全国建設業協会(全建)の奥村太加典会長ら首脳が、東京・大手町の経団連会館で8日に開いた2021年度定時総会後に会見した=写真。奥村会長は本年度の注力事業として「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」(21~25年度)に関連する工事の円滑施工と次年度以降の予算確保を挙げ、積極的に要望活動を展開し「(関連予算を)次年度以降の当初予算に盛り込んでもらう。5か年の計画にきちっとした流れをつくる」と意気込みを示した。

ここ数年にない予算規模となった公共事業の円滑施工には、都道府県など発注者との継続的な意見交換を通じ「受発注者間で齟齬(そご)を来さないようにすることが重要」と指摘。不調・不落の要因となる繁忙期の発注を控えてもらうよう共通認識を構築する必要があるとした。

奥村会長は技能労働者の賃金を引き上げるため「何らかの形で(支払い状況を)チェックすることが必要」との考えも示した。3月末に開かれた国土交通省と建設業主要4団体の意見交換会では、21年に「おおむね2%以上」の賃金上昇率の実現を申し合わせた。重層下請構造で末端の支払い状況まで把握することは難しいが、「(1次、2次下請までの)上の流れだけでも確認しないと、下に行き着かない」と話し、調査実施の必要性を強調した。

新たな社会的要請に応える取り組みも展開する。SDGs(持続可能な開発目標)への対応は「どういう領域に注力し、どう貢献していけるか。内外に向けて示すことが大事」と話した。地域建設業のカーボンニュートラルは「地道な取り組みしかない」とし、省エネ型建設機械への切り替えなどを促すため、コスト面などを発注者と協議するといった取り組み例を示した。

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