2021/06/16 岡山建協/1万人以上に職域接種へ/熱中症懸念、マスク外しても安全に

【建設工業新聞  6月 16日 1面記事掲載】

岡山県建設業協会(岡山建協、荒木雷太会長)が新型コロナウイルスワクチンの職域接種を実施する。会員の大半が中小企業で接種会場や医療従事者を各社が確保するのは難しいと判断。会員646社の従業員と家族、グループ会社の希望者など1万人以上が対象になる見通し。岡山、倉敷、津山の3市にある病院での接種で調整している。

14日に開いた理事会で方針を固めた。地域の建設業団体で職域接種を表明したのは初めて。岡山建協の大前進専務理事は「これから本格的な夏場を迎える。マスクをしながらの作業は熱中症に直結する。外しても安心して作業できるようにするにはワクチン接種が必要」と話した。

厚生労働省に近く申請し7月中旬の接種開始を目指す。行政主体の接種に影響を与えない範囲で医療従事者を確保する必要があるため、中小零細企業に在籍する従業員を優先し、産業医がいる企業は各自で実施してもらう。

建設分野では大手ゼネコンなどを中心に実施表明が相次いでいる。国土交通省は単独実施のハードルが高い中小企業に対し、複数社による連携や都道府県など地域の業界団体単位で共同実施を働き掛けている。直轄事業では職域接種に伴う一時中止措置や設計変更に関する受注者の申し出に対応するよう指示。同様の措置を取るよう地方自治体にも要請した。

地域建設業団体からは「公共工事を担うエッセンシャルワーカーとして、建設業独自の対応を取ってほしい」という意見や、「接種に伴う副作用などが発生した際の補償が心配」といった慎重な意見が出ている地域もある。

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