2021/06/17 日建連/技能者レベル判定システム、国交省に早期再稼働要望/切れ目ないカード発行も

【建設工業新聞  6月 17日 1面記事掲載】

日本建設業連合会(日建連、宮本洋一会長)は、建設キャリアアップシステム(CCUS)登録技能者のレベル判定システムの運用について、国土交通省に改善を要望した。CCUSと別に運用しているレベル判定システムが停止するのに伴い、相当数の職種でレベル判定が中止になることを懸念。継続的な能力判定とレベルに応じた色のCCUSカードの切れ目ない発行を求めている。

国交省が開発したレベル判定システムは2020年4月に稼働した。35職種・50団体の能力評価実施機関と建設産業専門団体連合会(建専連、岩田正吾会長)で構成する「建設技能者能力評価制度推進協議会」が共同で運営している。

CCUSとは別のシステムで運用しているため、CCUSの技能者登録後にレベル判定を別途申請しなければならず、利用者の二重負担が課題になっていた。国交省はレベル判定システムによる判定受け付けを16日に停止。当面は各能力評価実施機関による判定受け付けに変更する。将来的にはCCUSとレベル判定の手続きのワンストップ化を目指す。

CCUSのメリットの一つに、建設技能者の技能や経験に応じた処遇の実現がある。レベルの高いカード保有者を何人抱えているかが専門工事業者の施工能力評価につながる。日建連は建設技能者の能力評価は、これら施策の基盤と強調。能力評価を支えるレベル判定システムの運用を停止すれば、これまでの担い手確保の取り組みの成果が台なしになると主張している。

15日に日建連の井上和幸CCUS推進本部長が国交省を訪れ、青木由行不動産・建設経済局長に要望書を手渡した。井上本部長は「CCUSの普及に大きな影響が出る」と懸念を示し、手続きのワンストップ化を含む早急なレベル判定システムの再稼働を求めた。

青木局長は「既存の35職種すべてでレベル判定が実施されるよう、引き続き各団体と精力的に協議し手だてを検討する。一定の準備期間の後にカード発行できるよう、建設業振興基金とも協議している」と説明した。続けて「利用者の利便性向上のため、CCUSでレベル判定手続きが行われることが一つの姿」との見解を示し、「申請者が使いやすい仕組みであるとともに持続可能であることを前提として、よりよい仕組みを検討する」と述べた。

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