2021/07/14 東北整備局/「復興道路・復興支援道路の歩み」映像完成/全線開通への歩みを紹介

【建設工業新聞  7月 14日 6面記事掲載】

◇地域とともに進んだ10年

東日本大震災復興のリーディングプロジェクトとして東北地方整備局がけん引してきた復興道路・復興支援道路の10年の歩みをまとめた映像が完成し、ホームページ(HP、https://tohoku-fukkoudouro.jp/movie/)で公開された=写真。総延長550キロの大動脈が年内に全線開通する。地域と共に歩んだ10年や被災地にもたらしてきた復興道路の整備効果を取りまとめた。

東日本大震災の被災地では、被害が広範囲に及びスピード感を持った対応が求められた。発災直後には県、自治体への応援と救援輸送ルートを確保するための道路啓開「くしの歯作戦」を打ち出し、被災地の復旧を大きく後押しした。復興道路・復興支援道路のスタートまでの道のりに至っては、国と県、被災自治体、地元住民が見事に連携。予算確保やルート設定など数々の工夫を凝らした。

「10年間で550キロをつなぐ」という大プロジェクトの命題に対し、官民の技術パートナー組織として立ち上げた「事業促進PPP」の仕組みも早期開通へ弾みをつけた。「復興加速化会議」では現場の課題・問題に適宜対応。復興係数などをはじめとする施工確保対策はのちに各地で発生した災害復旧工事の先駆けにもなった。

映像では、最先端の高度技術を駆使した現場も紹介。「新区界トンネル」の工事を担当した鹿島東北支店の西川幸一工事部長が当時を振り返りながら土木技術者の使命感を訴えた。

沿道地域の住民から寄せられたメッセージには、救急隊や観光、漁業関係者の声を収録し、移動時間の短縮による効果や「命の道」としての活用、新たなビジネスモデルへの挑戦などを期待する声が寄せられた。

年内に全線開通を予定している復興道路・復興支援道路を利用し、地域の活性化とともに「震災伝承」の役割を強調。復興への歩みを通じて得た教訓を発信する。

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