2021/07/28 低入札調査算定式-公契連モデルが徐々に定着/全都道府県が準拠か同等以上/全建調査

【建設工業新聞  7月 28日 1面記事掲載】

地方自治体が工事の入札契約手続きに導入している低入札価格調査制度で、2019年3月に改正された中央公共工事契約制度運用連絡協議会(中央公契連)モデルの算定式が定着しつつある。全国建設業協会(全建、奥村太加典会長)の調査によると、全都道府県が最新のモデルに準拠あるいは同等水準以上の算定式を適用していた。一部が未対応の政令指定都市や県庁所在市での最新モデル普及が今後の課題になりそうだ。=2面に詳しく

中央公契連の最新算定式モデルは、従来の「直接工事費×0・97+共通仮設費×0・9+現場管理費×0・9+一般管理費×0・55」で維持。予定価格の「70~90%」だった調査基準価格の設定範囲を「75~92%」に引き上げている。

全建は47都道府県と51政令指定都市・県庁所在市を対象に、都道府県建設業協会を介して低入札価格調査制度と最低制限価格制度の運用状況を調査。6月時点の結果をまとめた。

低入札価格調査制度の運用状況は、中央公契連の最新モデルを上回る水準の算定式を適用している都道府県が前年同月の12団体から13団体に増加した。新潟県は同モデルと同等の算定式を使っていたが、新たに同モデルの水準を上回る算定式を導入した。

同モデルと同等水準、あるいは同等以上の独自算定式を適用している都道府県も4団体から5団体に増えた。算定式を公表していなかった福島県は同等以上の独自基準を適用している。

政令市と県庁所在市の運用状況を見ると、最新モデルを適用しているのが17団体から18団体に増加。16年3月改正の16年モデル以前の算定式を使っていた水戸市が制度を改正した。

全建によると、会員からは一般管理費の引き上げや、最低制限価格制度も含め設定範囲の上限撤廃を求める声が上がっているという。

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