2021/08/24 国交省/公共工事の円滑な施工確保など4項目で全都道府県と合意/入札契約改善など

【建設工業新聞  8月 24日 2面記事掲載】

国土交通省は都道府県の担当者と入札契約制度や建設業行政の課題を議論する2021年度上期「ブロック監理課長等会議」(入札契約担当課長会議)で、公共工事の円滑な施工確保など4項目の取り組み事項の推進を全都道府県と申し合わせた。都道府県公共工事契約業務連絡協議会(都道府県公契連)を本年度から原則開催することで合意。市区町村を含めた入札契約の改善などの取り組みを強化する。

静岡県熱海市の土石流災害の影響で延期となっていた中部ブロックの会議が19日に行われ、全国8ブロックでの会議を終えた。合意項目は▽国土強靱化対策をはじめとする公共工事の円滑な施工確保▽適正な予定価格設定の徹底やダンピング対策の強化▽都道府県公契連を活用した市区町村の入札契約の改善▽建設キャリアアップシステム(CCUS)の活用促進-の四つ。

公共工事の施工確保に向け、各都道府県は地域の建設業団体との意見交換などを通じ、公共工事の受注環境の把握や工事の円滑な発注に努めるとした。管内市区町村でも地域の建設業団体と緊密に意思疎通できるよう取り組む。

市場実態を的確に反映した予定価格の適正な設定と、適切な契約変更の実施を国の全地方自治体の連携で推進。最新の中央公共工事契約制度運用連絡協議会(中央公契連)モデルの基準に沿った調査基準価格の設定に努めるなどダンピング対策も強化する。

施工時期の平準化やダンピング対策などの入札契約の改善が遅れがちな市区町村には、都道府県公契連を活用し国交省が直接働き掛ける。20年度に未開催だった6県も含め、21年度は原則開催してもらう。

直轄工事や都道府県発注工事で広まっているCCUS推奨モデル工事や総合評価での加点措置など先行する取り組みを参考に、自治体発注工事でCCUS登録のインセンティブ措置の導入を促す。地域の中小建設会社の普及状況を考慮し、まずは一定規模の工事からの順次導入を検討してもらう。

日刊建設工業新聞の購読申し込みは、こちら

戻る