2021/08/27 厚労省/22年度予算概算要求/墜落・転落防止へ本足場促進

【建設工業新聞  8月 27日 2面記事掲載】

厚生労働省は2022年度予算の概算要求で、墜落・転落災害の防止対策推進事業に87百万円(前年度比6・2%減)を計上した。全国500カ所の木造家屋建築現場に労働安全コンサルタントを派遣。採用している足場の種類など実態を調査し、墜落防止効果を高めるため技術指導する。

一側足場を使用する現場では、コンサルタントが必要に応じて本足場(二側足場)の導入を指導する。厚労省労働基準局の担当者は「安全な足場を使い、より安全に施工してほしい」と語る。建設工事従事者安全健康確保推進法(建設職人基本法)の基本計画などの改定を想定し、変更内容をまとめた資料を作成・周知する費用も盛り込んだ。

地震や豪雨、台風など大規模な自然災害の多発を踏まえ「復旧・復興工事安全衛生確保支援事業」に2億43百万円を求めた。復旧現場は足元が不安定だったり複数の建設機械が集中したり、平時の現場よりも労働災害のリスクが高くなる。そのため、建設業労働災害防止協会(建災防、今井雅則会長)が復旧・復興工事を対象に、安全衛生の専門家による教育支援や巡回指導などを行う。厚労省は復旧・復興工事安全衛生確保支援事業として、建災防の取り組みを補助する。

同事業は21年度まで、東日本大震災と熊本地震の被災地が対象だった。22年度からは全国に拡大し、地震だけでなく豪雨や土砂災害など災害全般に適用する。

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