2021/08/30 中部整備局、静岡県/8月31日に黄瀬川大橋の通行止め解除へ/応急復旧は川田工業

【建設工業新聞  8月 30日 11面記事掲載】

中部地方整備局と静岡県は、梅雨前線豪雨で被災し7月3日から通行止めを行っている黄瀬川大橋(県道富士清水線)の復旧の見込みが立ったことから、31日午後1時に通行止めを解除すると発表した。中部整備局と県、日本橋梁建設協会(橋建協)の会員企業である川田工業が連携し、損傷した橋梁の床版や橋脚の撤去、応急組み立て橋の架設など安全に配慮しながら応急復旧作業を実施。約2カ月で地域の交通機能を回復した。

梅雨前線による7月1日からの大雨で、伊豆半島を流れる狩野川最大の支川である黄瀬川では、沼津市と清水町を結ぶ黄瀬川大橋(橋長83・5メートル)の橋脚の一部(P4橋脚)が沈下した。県と中部整備局は被災状況調査を実施し、河床の洗掘が原因と特定。復旧方針を検討し、P4橋脚がこれ以上沈下しないよう洗掘対策を実施した上で、上部工と橋脚を撤去。静岡国道事務所が管理する応急組み立て橋を架設し交通を確保することにした。

県は災害協定に基づき、7月7日に橋建協に協力を要請。上部工の元施工を実施した川田工業が作業に当たることになった。また、同17日に県からテックフォース(緊急災害対策派遣隊)支援要請を受けた中部整備局は、床版や桁、橋台の撤去、応急組み立て橋設置の施工指導や工期短縮の工程管理など技術支援を行った。

同18日からP4橋脚の洗掘対策として袋詰め玉石を設置。今月1日に作業用の500トンクレーンを現地に配置した。上空には高圧線が巡らされ、施工ヤードも限られるなど厳しい施工条件だったが、安全に細心の注意を払いながら床版や桁、P4橋脚の撤去を進めた。応急組み立て橋は桁長約34メートル、幅員約13メートル。現地で地組みし、26日から架設作業を行っている。

仮設橋は、安全確保のため通行可能な車両を制限。歩行者と総重量7・5トン未満の車両、緊急車両に限られ、自転車を含む二輪車などは通行できない。県は本復旧に向け本年度から復旧方法の検討や調査・設計に入る予定。

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