2021/09/07 静岡県/遠隔臨場の試行要領改定/交通基盤部、経済産業部発注の全工事・業務に拡大

【建設工業新聞  9月 7日 7面記事掲載】

静岡県は交通基盤部が発注する一部の土木工事で実施していた遠隔臨場の対象を拡大した。新型コロナウイルス感染症の拡大防止とインフラ分野のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進するため、同部と経済産業部が発注する全ての土木工事と業務委託を対象に実施する。臨場項目も立ち会いと段階確認に「検査」を新たに加える。1日付で試行要領を改定し施行した。

交通基盤部は2020年4月に遠隔臨場の試行を始めた。移動時間の削減による業務改善が見込まれ、施工箇所の通信環境が良好な案件を対象に20年度は47件で実施した。臨場項目は立ち会いと段階確認とし、実施回数は全体の実施回数の5割を上限としていた。

9月以降は、交通基盤部が発注する全ての土木工事と、経済産業部が発注する全ての農業土木工事に拡大。臨場項目も従来の立ち会いと段階確認のほか、新たにに検査を追加。中間検査や完成検査などの適用を可能にした。臨場の実施回数の上限も撤廃。実施内容や工期などを考慮し、受発注者間の協議で柔軟に適用するとした。

併せて両部が発注する業務委託も対象に加えた。土質・地質調査業務では長さや深さを測定する検尺、除草業務では出来形確認など、受注者が撮影した映像で必要な情報が確実に入手できる案件で実施する。

発注者に対しては実施件数を把握するため年2回調査を行う。また、課題を抽出するため受発注者双方へのアンケートも実施し、今後の試行に生かす。

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