2021/09/09 国交省/特定技能の受入促進/元実習生と企業のマッチング支援、22年度本格実施

【建設工業新聞  9月 9日 1面記事掲載】

国土交通省は建設分野で就労する外国人材の受け入れ環境整備に注力する。コロナ禍で特定技能外国人の認定件数が伸び悩む中、元技能実習生と受け入れ企業のマッチング支援などを展開。賃金水準を含め適正な処遇を確保する観点で、受け入れ状況の実態把握調査も充実する。2022年度予算の概算要求で関連経費2億3700万円(前年度2億2000万円)を計上した。

建設分野の外国人就労制度は新在留資格の「特定技能(特定技能1号)」と、22年度までの時限措置の「特定活動(外国人建設就労者受け入れ事業)」に分かれる。20年度の集計で、技能実習生を含む外国人約11・1万人が国内の建設現場で活躍している。

特定技能外国人は技能実習と特定活動からの移行者が中心。8月末時点で約5500人が認定されているものの、就労済みは約2800人にとどまっている。不動産・建設経済局国際市場課によると、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)に伴う入国制限などの理由で、多くの人材が待機中の状態になっているという。

国交省は現地の送り出し機関と連携し、元実習生と受け入れ企業のマッチング支援を22年度に本格的に始める。母国に帰国した元実習生の情報を把握し、特定技能の在留資格取得を働き掛ける。現地での説明会などを通じ受け入れ企業とのマッチングを後押しする。特定技能の海外試験実施に向けた現地調査にも注力。スリランカやバングラデシュ、ネパールなど新たな地域を対象とする。

外国人材の就労環境を適正に確保するため、受け入れ企業に対する監査や巡回訪問・母国語相談を実施。受け入れ状況の実態把握調査では、熟練した技能が必要となる「特定技能2号」のニーズも併せて調査し、今後の試験開始に備えていく。

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