2021/09/16 全建/10月5日からブロック会議/持続可能な地域建設業実現へ議論

【建設工業新聞  9月 16日 1面記事掲載】

全国建設業協会(全建、奥村太加典会長)は、国土交通省との2021年度地域懇談会・ブロック会議を10月5日から全国9地区で開催する。議題は「コロナ禍を乗り越えサステナブルな地域建設業であるために」。感染症対策を優先する地方自治体の工事発注量が抑えられた状況にあって、地域建設業の安定した経営を後押しするため公共工事の予算確保や働き方改革などを議論していく予定だ。

会合は昨年に続きコロナ対策を徹底して実施。傘下の都道府県建設業協会と共に地域建設業の課題などを意見交換する。テーマは▽公共工事の円滑施工と予算確保▽働き方改革と処遇改善▽「地域の守り手」としての地域建設業の信頼性の向上等-の三つ。

全建は毎年のように発生している大きな自然災害を教訓に、国が昨年12月に決定した「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」(21~25年度)を着実に進めることが重要と強調。同対策の予算を本年度分のように補正予算で計上せず、22年度からは当初予算で一般公共事業とは別枠計上するよう求める。

地域建設業の安定した経営に向け、長期視点で継続した事業量の確保や補助金・交付金も含む予算の重点配分を要望。景気回復策は補正予算を編成し、欧米のように強力なインフラ投資を訴える。

新・担い手3法の対応は、適切な発注価格の積算や工期設定、設計変更、施工時期の平準化、技術者配置要件・兼任要件のさらなる緩和を促す。

中小企業の生産性向上も促進。ICT(情報通信技術)施工の普及やBIM/CIM導入に向け発注工事の拡大や助成制度・税制の拡充を求める。

働き方改革は24年度から建設業に適用される時間外労働の罰則付き上限規制に対応。自治体も含め週休2日モデル工事のさらなる拡大や補正係数の引き上げを要望する。中央建設業審議会(中建審)が定めた「工期に関する基準」の徹底や公共工事設計労務単価の引き上げも求め、週休2日を取得しやすい環境整備に努める。

建設キャリアアップシステム(CCUS)の普及促進に向けては、インセンティブ付与工事の増加やカードの種類に応じた労務単価、カードタッチをした技能者へのポイント付与などを求める。

「地域の守り手」としての地域建設業の役割にも着目。災害協定内容の充実や災害対応時の事故に対応する個別保険の検討、降雪量に影響されない除雪作業体制を維持するための環境整備などを要望していく。

地域懇談会・ブロック会議の日程は次の通り。

△関東甲信越=10月5日、経団連会館(東京都千代田区)△四国=同13日、ホテルクレメント高松(高松市)△中国=同14日、岡山プラザホテル(岡山市中区)△近畿=同18日、ANAクラウンプラザホテル神戸(神戸市中央区)△九州=同20日、沖縄ハーバービューホテル(那覇市)△東北=同25日、ウェディングエルティ(福島市)△北陸=同26日、ホテルオークラ新潟(新潟市中央区)△東海=同28日、名鉄ニューグランドホテル(名古屋市中区)△北海道=同29日、札幌ガーデンパレス(札幌市中央区)。

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