2021/10/07 斉藤鉄夫国交相/技能者処遇改善を後押し/設計労務単価上昇の流れ引き継ぐ

【建設工業新聞  10月 7日 1面記事掲載】

斉藤鉄夫国土交通相は6日、日刊建設工業新聞など専門紙各社の就任インタビューに応じ、技能労働者の処遇改善を強力に後押しする考えを示した。建設業の担い手確保・育成には「高度な技能を持った人たちが、それに見合う報酬を得られるようにしていくことが必要だ」と強調。公共工事設計労務単価が9年連続で上昇していることを踏まえ、「(単価上昇の流れを)しっかり引き継ぎ、若い人たちが誇りを持って働ける職場にしてきたい」と力を込めた。

斉藤国交相は衆院議員当選以前、清水建設に17年間勤めた経歴を持つ。インタビューでは新入社員時の現場研修の際、週末の仕事終わりのたびに現場の職長に連れられて夕飯をごちそうしてもらったエピソードを披露。「今はそういう雰囲気は全くないようだ」と現状を嘆き、技能者の処遇改善に向けた強い思いを語った。

建設業界と連携し社会保険の加入徹底に取り組むとともに、建設キャリアアップシステム(CCUS)の普及促進に「官民の総力を挙げる」。CCUS登録技能者が全技能者の2割程度にとどまることから、現場レベルでの需要促進や加入者へのインセンティブ付与を通じ「登録のメリットが感じられるようにしなければいけない」と訴えた。工事の品質確保や担い手確保に必要な適正利潤の確保に向け「ダンピング対策のさらなる徹底を地方自治体へ働き掛ける」とも語った。

防災・減災や国土強靱化は「国民の生命と暮らしを守るとともに、地方の経済を支え、若い人たちの働く場を確保する側面もある」と指摘。民主党政権時の公共事業費削減で「災害や雪害にすぐに対応できない現場を見てきた」と教訓を語り、国土強靱化関連施策に「優先順位を付け、限られた予算を有効に使う」方針を示した。

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