2021/10/12 JACIC/現場管理を図面から3D画面に転換提唱/必要な情報集約、専門画面整備へ

【建設工業新聞  10月 12日 1面記事掲載】

日本建設情報総合センター(JACIC、深澤淳志理事長)は、発注者を中心に提供しているICT(情報通信技術)プラットフォーム「JACICクラウド」のうち建設プロセス基盤の「JACICルーム」を活用した新たなマネジメント方策を提案する。作業目的別の専門画面を順次整備し、現場で必要なデータを集約・一元化。BIM/CIMモデルや画像・映像を画面に可視化するサービスを提供し、2Dの図面から3Dの画面への転換を後押ししていく。

国土交通省が推進する建設現場の生産性向上策iーConstructionに対応した「JACIC“iーCon”チャレンジ戦略」を1日付で改定した。

インフラ分野のDX(デジタルトランスフォーメーション)でリモート型の働き方への転換や5G(第5世代通信規格)関連技術の活用などが進行。「NEW iーConstruction」を提唱し、現場のプロセスやマネジメントを変革する必要性を訴える。

JACICルームの専門画面は作業目的別に標準タイプを提供した上で、現場の実情に応じカスタマイズも可能。複数の画面構成でデータやモデル、画像・映像を集約し、仮想空間に実物を再現する「デジタルツイン」でのマネジメントを促す。画面構築と同時に作業手順を可視化できるメリットもある。

記録や目視での利用にとどまっていた画像・映像の「インテリジェンス活用」も見据える。人工知能(AI)やシミュレーション技術を導入し画像・映像と属性情報を組み合わせて分析すれば、評価や判定に利活用できると展望している。

専門画面の例として▽防災▽遠隔臨場▽プロジェクト管理▽監督・検査▽巡視・点検▽構造物管理-などを挙げる。このうち防災は直轄事業で試行的に導入済み。無線による音声で行っていた高潮防災訓練に伴う交通規制の指令や確認を画面上に置き換えた事例がある。

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