2021/12/20 大林組ら3社/ドローンで屋内現場管理を効率化/工事状況を時系列で比較

【建設工業新聞  12月 20日 3面記事掲載】

大林組とNTTドコモ、NTTコムウェアの3社は屋内の建設現場でドローン(小型無人機)を活用し、工事の進捗(しんちょく)管理を効率化する実証実験に成功した。自律飛行型ドローンや専用のプログラムを使用。数日間隔で工事現場を自動撮影し、3Dデータの任意箇所をクリックするだけで写真を閲覧できるようにした。同一箇所の工事状況が時系列で簡単に比較でき、現場の作業負担が大幅に軽減する。

実証実験は米スカイディオが開発した自律飛行型ドローン「スカイディオ2」を使用。機体の上下にある六つのカメラで撮影した映像から周囲の3D環境と自己位置が推定でき、優れた障害物回避性能を備える。機体が小型で狭小部でも飛行できる。

NTTドコモがスカイディオ2向けに開発した技術検証用飛行プログラムは、多地点を通過するルートが事前設定できる。衛星利用測位システム(GPS)などでの位置情報取得が難しい環境でも、複雑なルートを自律飛行できる。

NTTコムウェアが開発したドローン点検ソフト「KnowledgeMapR4D」を使用。飛行の軌跡と撮影点は3D空間に配置でき、撮影時のドローン位置や高度などが正確に把握できる。画像を3Dデータ化しソフトに取り込めば、建設現場を再現した3D空間に工事写真の撮影箇所が反映できる。

実証実験は東京都品川区の建設現場(室内空間約500平方メートル)で行った。116カ所の位置を記憶したドローンが現場写真を最長10日間隔で3回撮影した。天候や時間帯が異なる環境でも設定ルートを正確に自動・自律飛行できた。3社はドローンを使った建設現場の作業効率化で今後も連携する。

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