2022/01/11 国交省/維持管理の週休2日確保へ/交代制の運用在り方検討、対象工事・工種を類型化

【建設工業新聞  1月 11日 1面記事掲載】

国土交通省は、現場閉所が難しい通年維持工事などで試行している「週休2日交代制モデル工事」の運用に当たって対象工事・工種の類型化を検討している。社会的要請や現場特性から週休2日の確保に現場閉所と交代制をどちらも選択できるような工事があるが、国交省は働き方改革や担い手確保の観点で可能な限り現場閉所を基本とする方針。交代制の運用の在り方を見極めながら、維持管理も含めた週休2日の原則適用を目指す考えだ。

国交省は週休2日工事を順次拡大しており、2023年度には全工事を発注者指定型で入札を公告する方針を示している。

19年度から試行している交代制は技術者や技能者が交代しながら休日を確保する取り組みで、発注者指定型の対象範囲を22年度にすべての通年維持工事、23年度には閉所困難な全工事に拡大する予定。交代制の試行では労務費と現場管理費の補正係数を設定している。

20年度は交代制をすべて受注者希望型で公告し243件で実施した。日本建設業連合会九州支部の会員企業を対象としたアンケート結果によると、有効回答98件(46社の複数回答)のうち「閉所困難工事では交代制が現実的」が29%、「確実に週休2日とするには閉所が有効」が19%と意見が割れた。「交代制実施には交代要員を確保する必要があり人員の確保が難しい」という意見も31%あった。

維持管理の中でも除雪工事や道路巡視・巡回は体制維持が求められ交代制しか選択できない。一方、道路や河川の応急処理工事や災害復旧工事、交通規制や出水期、完成時期などに制約がある修繕工事などはどちらも選択できる可能性がある。

国交省は昨年12月下旬の有識者会議で、現場閉所が難しい工事・工種の類型などを発注者側で示した上で交代制を適用していく方向性について説明。一部の有識者からは受注者が選択できる余地を残すよう求める意見もあった。

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