2022/01/13 国交省/適正な一人親方周知へリーフレット作成/チェックリスト活用し雇用契約促す

【建設工業新聞  1月 12日 1面記事掲載】

国土交通省は規制逃れを目的とした「偽装一人親方」を抑制し、適正な一人親方の在り方を周知するリーフレットを発行した。雇用契約を締結していない現場従事者を対象とした「働き方の自己診断チェックリスト」を掲載し、技能者の労働状況の把握に役立てる。現場を管理する元請企業の確認事項も明記。チェックリストを活用し一人親方の契約内容が適切でない場合には下請企業に雇用契約の締結を促してもらう。

一人親方の社会保険加入を後押しするため2019年度に作成したリーフレットを改定した。産学官で構成する「建設業の一人親方問題に関する検討会」(座長・蟹澤宏剛芝浦工業大学教授)が21年3月に公表した中間まとめをベースに内容を充実。関係団体に会員企業への送付を依頼する文書を6日付で出した。

チェックリストは▽依頼に対する諾否▽指揮監督▽拘束性▽代替性▽報酬の労務対償性▽資機材などの負担▽報酬の額▽専属性-の8項目で労働状況を問う。検討会でまとめた適正な一人親方の目安をチェック項目に落とし込んだ。工事着手前に書面で契約していなかったり一方的に報酬を減額されたりした場合は建設業法違反の恐れがあると指摘。見直すべき請負契約の実例なども示し、一人親方との適正取引を促す。

元請企業でもチェックリストを活用し、雇用労働者に当てはまる働き方をしている一人親方と雇用契約を締結するよう下請企業に促してもらう。近く改定する「社会保険の加入に関する下請指導ガイドライン」にも元請企業の役割と責任として同様の記載を盛り込む方向で調整している。

未熟な技能者の処遇改善や技能向上の観点から、10代または経験年数3年未満の一人親方をひとまず雇用関係に誘導していく方針も示す予定だ。

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