2022/01/21 日立建機、日立製作所/建機情報の一元管理基盤を構築/建機DXを加速

【建設工業新聞  1月 21日 3面記事掲載】

日立建機と日立製作所は20日、建設機械の稼働や生産、販売、在庫などの情報を一元管理するプラットフォーム「DX(デジタルトランスフォーメーション)基盤」を構築したと発表した。システムごとに管理していたデータの収集から分析、利活用までを効率化。新たな価値創出につなげる。初弾として来年度に営業支援アプリの運用を始める。

DX基盤は建機の遠隔監視システム「ConSite(コンサイト)」といったソリューションと連携する。画像など膨大なデータを効率的に管理する機能、高度な分析を行うための機械学習、人工知能(AI)を用いた分析ツールを備える。複数のデータや条件を組み合わせたデータの迅速な分析が可能という。

ITインフラ・運用に関連する日立のノウハウを活用。安全性を担保すると同時に、運用までを見据えた環境構築を実現した。新しいアプリの開発から運用まで柔軟に対応できる。

顧客が保有する建機の稼働状況や取引履歴などを閲覧できる営業支援アプリも運用する。建機の状況などに応じてAIが修理や増車などを提案する。日立建機グループの日立建機日本(埼玉県草加市、榎本一雄社長)は2021年にアプリのベータ版を運用。22年度に自社の販売やサービスなどの各担当者約1000人を対象に本格運用を開始する。

今後はコンサイトやICT(情報通信技術)施工向けソリューション「Solution Linkage」と連携し、サービスメニューの拡充を検討する。単純な水平展開ではなく地域特性や市場に応じ、需要に対応していく。

日立製作所は14日に保有する日立建機の株式の一部を伊藤忠商事と投資ファンドの日本産業パートナーズ(JIP、東京都千代田区、馬上英実社長)による企業連合に売却すると発表した。日立建機はIoT(モノのインターネット)分野で日立グループとの連携を継続する。

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