2022/01/26 厚労省/水道の工事監督者資格で要件緩和検討へ/24年の水道法改正との連動も

【建設工業新聞  1月 26日 2面記事掲載】

厚生労働省は、地方自治体など水道事業者が配置する技術者資格で要件緩和を検討する。水道法で規定する▽水道布設工事監督者▽水道技術管理者-が対象になる見込み。必要な技術者を確保し水道事業の基盤を強化するため、事業者や有識者の意見を聞きながら、議論を深める。具体の検討方針は未定だが、2024年を目標とする水道法の改正と連動した新制度の設計も視野に入れる。

水道法では、水道工事の中でも施工方法によって水質に影響が出る可能性のある施設整備を対象に、施工監督者の配置を義務付けている。水質確保のため、学位で得られる土木や水道、衛生工学の知識に応じて必要な実務経験年数(1~10年以上)を設定。

事業者は技術面での責任者として、水道技術管理者を必ず配置しなければならない。この資格も学歴などに応じて、実務経験年数(不要~10年以上)を段階的に定めている。

資格要件を巡っては、厚労省が人材不足などを踏まえ、給水人口5000人以下の小規模事業で、必要な実務経験年数を半分にする措置を講じている。事業者が自治体の場合、条例で資格要件を設定することも可能だ。

水道事業の業界団体からは、現行の資格要件の変更を求める意見は出ていない。ただ、老朽施設の増加や専門人材の減少など水道事業を巡る課題を踏まえ、資格要件の見直しを検討することにした。安全で清潔な水供給の継続につなげる。

24日に開かれた政府の規制改革推進会議下部組織のウェブ会合で、厚労省が方針を明らかにした。会合では国土交通省も、下水道分野で技術者資格の概要などを説明した。

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