2022/02/02 群馬県内の除雪/コロナ禍で消毒徹底、交代シフト確保し24時間対応

【建設工業新聞  2月 2日 5面記事掲載】

強い冬型の気圧配置で降雪量が増えている今冬、降雪が目立つ群馬県内は、新型コロナウイルスの感染対策を徹底しつつ懸命の除雪作業が続いている。群馬県建設業協会の会員企業によると、24時間対応の除雪体制を3月末まで継続するという。オペレーターが各班7人の2班編成をベースに、交代しながら作業に当たる。感染対策を考慮したシフトで、除雪機械のハンドルのアルコール消毒や低温下での換気などに努めている。

群馬県は、感染者の増加に伴い、まん延防止等重点措置の適用が続いている。群馬建協会員企業の沼田土建(沼田市、青柳剛社長)は、除雪の作業班のために広い休憩室を確保し、時間をずらして利用してもらっている。各所に消毒液や使い捨てのアルコールタオルを配置。班が入れ替わる際にはテーブルをふくなど消毒をこまめに行っている。除雪機械も交代時にハンドルなどをふく。ふぶいた時間は窓の開閉が難しいものの、換気に努めている。

降雪量によっては除雪機械に助手が乗車する。感染対策として、感染者が発生した班は自宅待機になる。感染者が増えたなら、各班のオペレーターを分けた上で助手を増強し、2班編成を保つ。班に所属しないオペレーターを含め、冬季の道路交通を維持する体制を整えるという。

群馬県内の建設会社には、濃厚接触者となって自宅待機になる職員が出ている。県は、建設業を社会機能の維持に欠かせないエッセンシャルワーカーに位置付けており、群馬建協は県と建設業の濃厚接触者の自宅待機期間を短縮する方針を確認している。

県北部のみなかみエリアは、2021年末に記録的な大雪になった。太平洋赤道域東部(南米沖)の海面水温が平年を下回るラニーニャ現象の影響から、寒気が流れ込みやすく、22年も降雪が多い。関越自動車道・水上IC近郊には、スタッドレスタイヤ装着でも2輪駆動の車の来場に注意を呼び掛けたり、無料シャトルバスを運行する道の駅への停車を求めていたりするスキー場がある。地域経済を維持するためにも除雪への期待は大きく、「『地域の守り手』としての備えを続ける」(青柳社長)方針だ。

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