2022/02/03 国交省/下請指導指針の改定案公表/偽装一人親方改善なければ「現場入場認めない」

【建設工業新聞  2月 3日 2面記事掲載】

国土交通省は、規制逃れを目的とした「偽装一人親方」の抑制対策を盛り込んだ「社会保険の加入に関する下請指導ガイドライン」の改定案を公表した。雇用労働者に当てはまる働き方をしている一人親方との雇用契約を下請企業に促すことを「元請企業の役割と責任」と位置付け、再三の指導に応じず改善されない場合は「現場入場を認めない取り扱いとする」よう明記した。

改定案への意見募集を1日に開始した。3月3日に締め切った後、4月の施行を予定している。

雇用労働者に当てはまる働き方かどうかの判断には、適正な一人親方の在り方を周知するため国交省が1月に発行したリーフレットに掲載した「働き方の自己診断チェックリスト」を活用する。改定案では未熟な技能者の処遇改善や技能向上の観点から、10代または経験年数3年未満一人親方をひとまず雇用関係に誘導していく方針も示した。

将来的にはチェックリストの確認事務を軽減するため、産学官で構成する「建設業の一人親方問題に関する検討会」(座長・蟹澤宏剛芝浦工業大学教授)で議論している「適正でない一人親方」の目安の運用を目指す。2026年度以降の対応に向けた一定の道筋を23年度末にも示す。

検討会が21年3月に公表した中間まとめによると、適正な一人親方の目安となるのは▽実務経験年数10年程度以上▽建設キャリアアップシステム(CCUS)レベル3相当以上の技量-を想定。これまでの会合では建設業団体などからの要望を踏まえ、目安の運用開始までに一定の周知期間を設ける方向で検討が進んでいた。

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