2022/02/16 國場組/総合評価加点措置で賃上げ表明/JVでの入札参加も視野に

【建設工業新聞  2月 16日 9面記事掲載】

国機関発注の総合評価方式の入札で従業員の賃上げに対する加点措置の運用が始まったことを受け、九州・沖縄地区の建設業者でも賃上げに踏み切る動きが始まっている。沖縄県内最大手の國場組(那覇市、玉城徹也社長)は2022年の従業員の賃金を前年比3%以上引き上げることを明らかにした。今後参加する入札で賃上げを表明する。県内では防衛施設関連の大規模工事などがあり、県外大手ゼネコンとのJVでの入札参加にも必要と判断した。

同社によると一定の業績が確保できていることに加え、今後の人件費の減税など経営面も踏まえ賃上げを決めた。契約社員なども含めた従業員数や資本金などから大企業に該当するため、加点要件を満たす3%以上の賃上げを行う。賞与、諸手当の見直し、定期昇給などによる賃上げを想定している。

同社の担当者は「(賃上げを行わないと)総合評価方式の入札の土俵に立てない。今後、県内の他の建設業者もどんどん表明してくると思う」と話した。

JVで入札参加する場合はJVを構成する全ての企業が賃上げを表明する必要があるため、「賃上げ表明していないとJVを外れなければならなくなる」(担当者)ことも理由に挙げた。大手ゼネコンでは大成建設や鹿島が賃上げを表明している。今後はJV編成をにらんだ賃上げの動きも予想される。

賃上げ加点は4月以降に契約する案件で運用する。防衛省や国土交通省、農林水産省などでは既に入札手続きを開始している。

加点基準となる目標値は大企業が3%、中小企業が1・5%。総合評価方式の従来の加算点に賃上げ加点を加えた点数を技術評価点とする。賃上げ加点され落札した場合、法人事業概況説明書などで実績を確認し、賃上げ水準に達していなければその後の総合評価方式の入札で賃上げ加点より大きな割合で減点される。

日刊建設工業新聞の購読申し込みは、こちら

戻る