2022/02/16 戸田建設ら/杭頭処理工法外販/凍結圧力を利用、低騒音・振動で工期短縮

【建設工業新聞  2月 16日 3面記事掲載】

戸田建設は15日、精研(大阪市中央区、上野俊信社長)と共同開発した「凍結杭頭処理工法(しずかちゃん)」の外販を開始すると発表した。水の凍結時に発生する凍結圧力を利用し、杭頭部に水平方向のひび割れを発生させることで、余盛りコンクリートをはつることなく撤去できる。騒音や振動、粉じんを抑制しつつ大幅な工期短縮を実現する。

水が凍結して氷になると、体積は約9%膨張し、その時に生じる膨張圧(凍結圧力)は約200メガパスカルになる。凍結杭頭処理工法はこの原理を利用している。

冷凍管を場所打ち杭の鉄筋カゴ内へ水平に設置し、液体窒素で冷凍管内の水を凍結。これにより冷凍管が膨張し、余盛りコンクリートに水平方向のひび割れを発生させる。冷凍管に平らな形状の鋼管を使うと、鋼管内部で発生した膨張圧は鋼管を円形に戻そうとする力として作用するため、ひび割れ方向を制御できる。液体窒素注入から10分程度で破砕でき、工期短縮に大きく貢献する。

建設騒音対策や杭頭処理の工期短縮が求められる工事に適している。戸田建設はこれまでに自社施工の工事15件(杭径1100~2500ミリ、598本)に適用。国土交通省の新技術情報提供システム(NETIS)に登録しており、今後は外販事業にも力を入れていく。

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