2022/02/21 国交省/設計労務単価2・5%引き上げ/現場レベルの賃上げ反映、3月1日から適用
【建設工業新聞 2月 21日 1面記事掲載】
国土交通省は18日、公共事業の積算に用いる新しい公共工事設計労務単価と設計業務委託等技術者単価を発表した。労務単価は全国・全職種の単純平均で2・5%、技術者単価は全職種の単純平均で3・2%引き上げ、3月1日から適用する。国交省と建設業主要4団体が技能労働者の賃金上昇率として2021年の目標に設定した「おおむね2%以上」を超える水準となり、現場レベルの賃上げが目に見える形で反映された格好だ。=2、8面に関連記事
新しい労務単価は全職種の加重平均で日額2万1084円。最高値を更新し、法定福利費相当額の反映など算出手法を大幅変更した13年度単価以降、10年連続の引き上げを実現した。12年度単価と比較すると、全国・全職種の単純平均は57・4%上がった。
公共工事で広く一般的に従事者がいる主要12職種(特殊作業員、普通作業員、軽作業員、とび工、鉄筋工、運転手・特殊、同・一般、型枠工、大工、左官、交通誘導警備員A、同B)の加重平均は日額1万9735円で、全国単純平均の上昇率は3・0%だった。
前年度、本年度ともに全都道府県で単価設定した34職種ごとに見ると、特殊作業員(全国単純平均の上昇率4・4%)、電工(4・0%)、塗装工(4・0%)、運転手・特殊(4・4%)、運転手・一般(4・0%)、潜かん世話役(4・1%)、土木一般世話役(5・1%)などの単価引き上げが目立った=表参照。
国交省は単価設定に当たって、24年4月から建設業に適用される時間外労働の罰則付き上限規制への対応を考慮。施工効率化などを踏まえた時間外労働の短縮に必要な費用を新たに反映させた。有給休暇取得の義務化分(年5日)に相当する費用も引き続き盛り込んでいる。
コロナ禍が収束していないことを背景に、賃金実態が前年度を下回った地域・職種の単価をそのまま据え置く特別措置を2年続けて講じた。ただし労務単価の場合、特別措置の対象地域・職種は1割超(前年度は4割超)にとどまり、上昇率の押し上げ効果は0・2ポイント程度と前年度より軽微だった。
単価設定の基礎データは21年10月の公共事業労務費調査で収集した。有効工事件数は9740件、有効サンプル数は8万7994人。対象51職種のうち建築ブロック工はサンプル不足で単価を設定しなかった。
□技術者単価3・2%上昇、10年連続アップ□
3月1日から適用する新しい設計業務委託等技術者単価は、全20職種の単純平均で前年度より3・2%上がって4万2195円となった。10年連続の引き上げで、2012年度単価と比較すると35・0%上がった。
業務別の平均は設計業務(7職種)が5万0100円(前年度比1・3%上昇)、測量業務(5職種)が3万5820円(5・2%上昇)、航空・船舶関係業務(5職種)が4万円(3・7%上昇)、地質調査業務(3職種)が3万8033円(5・3%上昇)。20職種のうち日額が最も高いのは設計業務の主任技術者の7万0600円だった。
技術者単価は毎年実施している給与実態調査結果に基づいて設定。国土交通省が発注する公共工事のコンサルタント業務や測量業務など設計業務委託の積算に用いる。
今回の単価設定では公共工事設計労務単価と同じく、時間外労働の短縮に必要な費用に新たに反映させた。コンサルや測量など建設技術サービス業には時間外労働の罰則付き上限規制が適用済みだが、さらなる業務効率化などを後押しする。コロナ禍を踏まえた特別措置も同様に継続し、20職種のうち4職種に適用。全職種平均単価の上昇率を0・5ポイント程度押し上げる効果があったという。
時間外労働に伴う割増賃金の算出に用いる「割増対象賃金比」は、20職種のうち11職種で変更となった。割増賃金は、各単価を1時間当たりの額に割り戻した上で、時間数と割増対象賃金比を掛けて算出する。
□電気通信3・2%、機械設備工は2・6%引き上げ□
3月1日から適用する電気通信関係技術者等単価の全5職種の単純平均は前年度より3・2%上がって2万7840円となった。単価上昇は11年連続。職種別の基準日額は、電気通信技術者が3万3100円(割増対象賃金比65%)、電気通信技術員が2万2300円(65%)、点検技術者が3万3000円(66%)、点検技術員が2万5400円(66%)、運転監視技術員が2万5400円(66%)となった。
同日適用となる機械設備工事積算に関する標準賃金は、機械設備製作工が2万5500円(割増対象賃金比は未設定)、機械設備据付工が2万5600円(0・654%)。2職種の単純平均は前年度より2・6%上がって2万5550円となり、10年連続で引き上げられた。
新しい労務単価は全職種の加重平均で日額2万1084円。最高値を更新し、法定福利費相当額の反映など算出手法を大幅変更した13年度単価以降、10年連続の引き上げを実現した。12年度単価と比較すると、全国・全職種の単純平均は57・4%上がった。
公共工事で広く一般的に従事者がいる主要12職種(特殊作業員、普通作業員、軽作業員、とび工、鉄筋工、運転手・特殊、同・一般、型枠工、大工、左官、交通誘導警備員A、同B)の加重平均は日額1万9735円で、全国単純平均の上昇率は3・0%だった。
前年度、本年度ともに全都道府県で単価設定した34職種ごとに見ると、特殊作業員(全国単純平均の上昇率4・4%)、電工(4・0%)、塗装工(4・0%)、運転手・特殊(4・4%)、運転手・一般(4・0%)、潜かん世話役(4・1%)、土木一般世話役(5・1%)などの単価引き上げが目立った=表参照。
国交省は単価設定に当たって、24年4月から建設業に適用される時間外労働の罰則付き上限規制への対応を考慮。施工効率化などを踏まえた時間外労働の短縮に必要な費用を新たに反映させた。有給休暇取得の義務化分(年5日)に相当する費用も引き続き盛り込んでいる。
コロナ禍が収束していないことを背景に、賃金実態が前年度を下回った地域・職種の単価をそのまま据え置く特別措置を2年続けて講じた。ただし労務単価の場合、特別措置の対象地域・職種は1割超(前年度は4割超)にとどまり、上昇率の押し上げ効果は0・2ポイント程度と前年度より軽微だった。
単価設定の基礎データは21年10月の公共事業労務費調査で収集した。有効工事件数は9740件、有効サンプル数は8万7994人。対象51職種のうち建築ブロック工はサンプル不足で単価を設定しなかった。
□技術者単価3・2%上昇、10年連続アップ□
3月1日から適用する新しい設計業務委託等技術者単価は、全20職種の単純平均で前年度より3・2%上がって4万2195円となった。10年連続の引き上げで、2012年度単価と比較すると35・0%上がった。
業務別の平均は設計業務(7職種)が5万0100円(前年度比1・3%上昇)、測量業務(5職種)が3万5820円(5・2%上昇)、航空・船舶関係業務(5職種)が4万円(3・7%上昇)、地質調査業務(3職種)が3万8033円(5・3%上昇)。20職種のうち日額が最も高いのは設計業務の主任技術者の7万0600円だった。
技術者単価は毎年実施している給与実態調査結果に基づいて設定。国土交通省が発注する公共工事のコンサルタント業務や測量業務など設計業務委託の積算に用いる。
今回の単価設定では公共工事設計労務単価と同じく、時間外労働の短縮に必要な費用に新たに反映させた。コンサルや測量など建設技術サービス業には時間外労働の罰則付き上限規制が適用済みだが、さらなる業務効率化などを後押しする。コロナ禍を踏まえた特別措置も同様に継続し、20職種のうち4職種に適用。全職種平均単価の上昇率を0・5ポイント程度押し上げる効果があったという。
時間外労働に伴う割増賃金の算出に用いる「割増対象賃金比」は、20職種のうち11職種で変更となった。割増賃金は、各単価を1時間当たりの額に割り戻した上で、時間数と割増対象賃金比を掛けて算出する。
□電気通信3・2%、機械設備工は2・6%引き上げ□
3月1日から適用する電気通信関係技術者等単価の全5職種の単純平均は前年度より3・2%上がって2万7840円となった。単価上昇は11年連続。職種別の基準日額は、電気通信技術者が3万3100円(割増対象賃金比65%)、電気通信技術員が2万2300円(65%)、点検技術者が3万3000円(66%)、点検技術員が2万5400円(66%)、運転監視技術員が2万5400円(66%)となった。
同日適用となる機械設備工事積算に関する標準賃金は、機械設備製作工が2万5500円(割増対象賃金比は未設定)、機械設備据付工が2万5600円(0・654%)。2職種の単純平均は前年度より2・6%上がって2万5550円となり、10年連続で引き上げられた。
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