2022/02/24 国交省/現場配置技術者、兼任可能条件の拡充検討へ/ICT活用前提

【建設工業新聞  2月 24日 1面記事掲載】

国土交通省は建設業法に基づく技術者制度で、監理技術者など現場配置技術者の兼任可能な条件を拡充する方向で検討している。ICT(情報通信技術)の活用による施工管理の効率化を前提として請負金額や施工体制、工事種類などの観点で条件を整理し、兼任を許容できる範囲を見極める。建設工事費の上昇を踏まえ、専任配置を不要とする請負金額の基準引き上げも検討している。

有識者会議「適正な施工確保のための技術者制度検討会(第2期)」の会合を21日に開き、技術者制度の見直しの方向性を提示。ICT活用で施工管理業務の代替を可能とする場合、適正な施工体制の確保を前提としつつ、ICTの進展を踏まえ段階的に制度を見直すことを確認した。当面は現行制度の見直しに対応し、中長期的には個々の先進技術や工事特性に応じ効率的な施工を可能とする新たな枠組みを別途検討するとした。

現行制度では請負金額3500万円(建築一式7000万円)以上の工事で一律に専任配置を求めている。ただ多様化する工事内容や施工方法、現場管理手法のICT化を踏まえると、請負金額による一律の専任規制は非効率になる可能性があるとの指摘があった。

専任不要の上限額は、資材価格や労務費の上昇による建設工事費の物価変動や消費税率を踏まえ引き上げ幅を検討する。働き方改革を推進する観点で技術者個人の負担を考慮する必要性も指摘されており、技術者配置の運用面の合理化もあわせて検討する。

政府の規制改革推進会議は昨年12月に決定した「当面の規制改革の実施事項」の一つとして技術者配置・専任要件の見直しを位置付けた。

同会議は春ごろまでに結論を出すことを求めており、国交省はそれまでに一定の検討成果をまとめたい考えだ。

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