2022/02/25 西松建設ら/山岳トンネルの自由断面掘削を遠隔操作できるシステム開発

【建設工業新聞  2月 25日 3面記事掲載】

西松建設は24日、ジオマシンエンジニアリング(東京都荒川区、塚田純一社長)と共同で、山岳トンネルの自由断面掘削機を遠隔操作するシステムを開発したと発表した。自由断面掘削機の走行やブーム操作といった切羽での掘削作業に必要な運転動作を、車体に設置した複数のカメラ映像で確認しながら無線で遠隔操作できる。坑内作業員を省人化でき、切羽近傍の安全性が向上する。

実証実験では映像伝送遅延や通信上の不具合が生じず、無人運転時も安全に操作できることを確認した。今後は現場試行を通じて改良を重ね、システムの早期実用化を目指す。

開発したシステム「Tunnel RemOS(トンネルリモス)」は遠隔操作室と映像・操作信号通信、機体制御、掘削ガイダンスの各システムで構成する。遠隔操作室内には遠隔操作コックピットやモニターを配置し、モニター画面を見ながら機体走行やブーム操作などを遠隔で行う。操作室には切削機に設置したカメラから映像データが送られ、オペレーターは機体稼働音や掘削音を聞きながら現場にいるような臨場感で操作できる。

遠隔操作室からの操作信号は掘削機の機体制御盤に伝送され、その信号を基に機体が遠隔制御される。機体のセンサーや3Dスキャナーを使用してブーム先端(カッター)の絶対座標を計算。掘削切羽のカッター位置が遠隔操作室モニターに表示される。カメラ映像だけでは分かりにくい奥行き方向の掘削状況もカッター位置情報で得られる。

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