2022/03/09 自民品確議連・根本匠会長/官民協働で現場主義徹底/建設人材への投資に注力

【建設工業新聞  3月 8日 1面記事掲載】

自民党の「公共工事品質確保に関する議員連盟」の根本匠会長(衆院議員)が日刊建設工業新聞社の取材に4日応じ、処遇改善や担い手確保など建設産業を取り巻く問題・課題の解決に向けて「官民協働」で現場主義を徹底すると表明した。業界団体を中心に現場の意見を幅広く吸い上げ、政策要望・提言を素早くまとめる機能を一段と強化する必要性を指摘。官民が協力し実態に即した関連制度・施策を迅速に打ち出し、建設業を担う人たちへの投資に尽力する考えを示した。

新しい資本主義の実現を目指す岸田文雄政権が取り組む建設産業の初弾施策として、賃上げ企業を総合評価方式の入札手続きで加点する措置を位置付ける。根本会長は「人への投資を意識した改正公共工事品質確保促進法(公共工事品確法)は岸田政権の取り組みを先取りした法律だ」とした上で、処遇改善といった働き手をより意識した施策を「弾込めする時期を迎えている」と現況を説明した。

新しい資本主義の理念に「官民協働」が含まれることを踏まえ、建設業でも「官側の公共分野がリーディングセクターとなってモデルや方向性を示しつつ、民間側にも発注や施工環境をより良くするために協力してもらいたい」と訴えた。

賃上げの評価方法を巡って業界に波紋が広がったことについて、根本会長は「新しい制度を入れる際は、相当考え抜かないと狙った効果は得られない」と指摘。建設業の実態に合わせるため、関連団体などでも素早く議論し、現場の意見を反映する行動力・発信力の強化に期待感を示した。

賃上げ原資として公共工事設計労務単価、設計業務委託等技術者単価を10年連続で引き上げた新単価にも言及。市場価格をベースとしつつ、時間外労働の罰則付き上限規制への対応など「政策的な視点を加味したところが新しく、意味がある」と強調した。

喫緊の課題である働き方改革では、「工期厳守で世界一といえる日本の建設業がゆとりある工期、働き方を実現するのは簡単ではない」と分析。「多様な働き方で働き手の人生をより豊かにすることは、人で成り立つ建設産業の発展に欠かせない」と訴えた。

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