2022/03/10 国交省/盛り土の設計・施工手引など策定へ/盛り土規制法施行見据え
【建設工業新聞 3月 9日 1面記事掲載】
国土交通省は今国会で成立を目指す「宅地造成及び特定盛土等規制法(盛土規制法)」を踏まえ、盛り土行為の安全確保に必要な留意点などをまとめた設計・施工の運用マニュアルや、既存の盛り土の安全対策に関するガイドラインを作成する。宅地造成など単一分野で定めていた指針や手引を、盛り土全般に適用する統一的な形に改める。法律公布から「1年以内」とする施行日までに内容を固め、地方自治体や開発事業者らに周知する。
危険な盛り土を全国一律の基準で規制する宅地造成規制法の改正案が国会に1日提出された。現行法を抜本改正し、法律名を盛土規制法に変更。宅地だけでなく森林や農地など土地の利用区分にかかわらず人家に影響を及ぼす可能性のある盛り土を許可制にして規制の網を広げる。
改正法では都道府県や政令市、中核市の首長が規制区域を指定する仕組みを創設。対象エリアの地形や地質に応じ災害防止に必要な許可基準を設定し、それに沿った安全対策の実施状況を既存の完了検査に加え、新設する中間検査や施工状況の定期報告で確認する。
新たな法律に基づく適切な対応を自治体らに促すため、国交省は規制区域の指定方法や許可基準・検査の運用方法で指針や手引を早急に整備する。設計・施工の運用マニュアルには過去に発生した盛り土の崩落事例も踏まえ、設計・施工や検査に当たっての留意点を盛り込む。開発事業者や自治体に実務面で参考にしてもらう。既存の「宅地防災マニュアル」に含まれる内容を盛り土全般に拡張する。
既存の盛り土の安全性把握や対策工事、災害発生時の対応などに関するガイドラインも用意する。谷を埋めたり傾斜地盤を腹付けしたりして整備した大規模宅地を対象とした「大規模盛土造成地の滑動崩落対策推進ガイドライン」の改正と両にらみで検討する。
これまで進めてきた大規模盛り土造成地の安全対策を加速する狙いもある。大規模盛り土造成地がある市区町村のうち安全性把握調査に着手したのは2020年度末時点で6・3%。「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」では25年度に60%を目標に掲げており、その達成に向けた施策のてこ入れを図る。
危険な盛り土を全国一律の基準で規制する宅地造成規制法の改正案が国会に1日提出された。現行法を抜本改正し、法律名を盛土規制法に変更。宅地だけでなく森林や農地など土地の利用区分にかかわらず人家に影響を及ぼす可能性のある盛り土を許可制にして規制の網を広げる。
改正法では都道府県や政令市、中核市の首長が規制区域を指定する仕組みを創設。対象エリアの地形や地質に応じ災害防止に必要な許可基準を設定し、それに沿った安全対策の実施状況を既存の完了検査に加え、新設する中間検査や施工状況の定期報告で確認する。
新たな法律に基づく適切な対応を自治体らに促すため、国交省は規制区域の指定方法や許可基準・検査の運用方法で指針や手引を早急に整備する。設計・施工の運用マニュアルには過去に発生した盛り土の崩落事例も踏まえ、設計・施工や検査に当たっての留意点を盛り込む。開発事業者や自治体に実務面で参考にしてもらう。既存の「宅地防災マニュアル」に含まれる内容を盛り土全般に拡張する。
既存の盛り土の安全性把握や対策工事、災害発生時の対応などに関するガイドラインも用意する。谷を埋めたり傾斜地盤を腹付けしたりして整備した大規模宅地を対象とした「大規模盛土造成地の滑動崩落対策推進ガイドライン」の改正と両にらみで検討する。
これまで進めてきた大規模盛り土造成地の安全対策を加速する狙いもある。大規模盛り土造成地がある市区町村のうち安全性把握調査に着手したのは2020年度末時点で6・3%。「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」では25年度に60%を目標に掲げており、その達成に向けた施策のてこ入れを図る。
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