2022/03/10 三井住友建設ら/タワークレーンと施工計画情報を連動/一部自動運転可能に

【建設工業新聞  3月 9日 3面記事掲載】

三井住友建設は8日、BIMデータに基づく施工計画情報とタワークレーンが連動し運転の一部を自動化するシステムを、東京都多摩市のマンション建設現場で導入したと発表した。クラウドに登録した施工計画を基に、PCa(プレキャスト)部材の最適な揚重経路を自動生成し、設置位置の上空に誘導する。つり上げた部材の水平回転や保持を自動制御するシステムも導入した。

運転支援システムはIHIとIHI運搬機械(東京都中央区、村上晃一社長)、つり荷の回転制御システムはロボリガー(オーストラリア、Derick Markwell最高経営責任者〈CEO〉)とそれぞれ共同開発した。導入現場は東京都多摩市の「聖蹟桜ケ丘PJ A敷地新築工事(仮称)」。

両システムは、あらかじめBIMデータを基にPCa部材の取り付け位置や順序といった施工計画の情報をクラウドに登録。現場で各部材に貼ったタグを照合すると、運搬に適した経路を生成する。オペレーターが確認後、荷取り場から設置位置の上空まで自動誘導する。クレーンの動きと連動して部材の水平と向きも制御可能。作業員がロープを使い人力でつり荷を回転させる作業が不要になり、事故の危険性を減らせるという。

三井住友建設は豊富な経験が必要なタワークレーンの作業の一部を自動化することで、担い手不足の解消にもつなげたい考えだ。

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