2022/03/16 国交省/建設発生土の指定利用徹底へ/公共・民間約款で対応検討

【建設工業新聞  3月 16日 2面記事掲載】

国土交通省は、すべての公共工事と大規模な民間工事を対象に、建設発生土の「指定利用」を標準請負契約約款に位置付ける検討に入った。工事の発注段階から建設発生土の搬出先を明確にしてもらい、元請業者による適正処理を促す。=1面参照

公共工事標準請負契約約款に加え、民間の比較的大きな規模の工事に適用する「民間建設工事標準請負契約約款(甲)」で必要な対応を検討する。夏ごろに開かれる中央建設業審議会(中建審)の会合で両約款の改正案を示す予定。発注者が建設発生土の搬出先を指定した場合、搬出先を記載した書類を契約書に添付することを明記する方向だ。

建設発生土の指定利用を徹底する方策は、静岡県熱海市の土石流災害を受けて内閣府の有識者会議が昨年12月24日に公表した提言に盛り込まれた。公共工事のうち国発注工事は指定利用がほぼ浸透しているが、地方自治体発注工事は改善の余地がある。提言ではすべての公共工事で指定利用の原則実施を目指すことが重要と指摘し、国が自治体に要請すべきだとした。

継続的に大規模な建設工事を発注している民間発注者も、公共発注者と同じく「建設発生土の適正処理にこれまで以上の積極的な役割を果たすことが期待される」と提言には記載。指定利用を実施し、それが困難な場合でも元請業者による処理状況を確認するよう求めた。

提言では公共・民間双方の発注者に契約締結時の適切な処理費用負担や、予期せぬ費用増が生じた場合の追加負担で受注者と適切に協議することも求めている。

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