2022/03/17 国交省/復興JV全国展開へ運用基準/激甚災害相当に適用、中建審が4月以降勧告

【建設工業新聞  3月 17日 1面記事掲載】

国土交通省は東日本大震災の被災地に限定し運用していた「復旧・復興建設工事共同企業体(復興JV)」制度の全国展開に向けた運用基準を固めた。激甚災害として指定を受けた災害に加え、それと同程度の規模の災害からの復旧・復興工事に適用可能とする。「共同企業体運用準則(JV準則)」に復興JVを位置付ける制度改正を4月以降に決定し、中央建設業審議会(中建審)が公共発注者に実施を勧告する。

復興JV制度は東日本大震災の被災3県(岩手、宮城、福島)で2012年から試行扱いとして運用。以降の大規模災害の被災地で地元自治体独自の制度として活用されるケースも多くある。全国的に大規模災害が相次ぐ状況を背景に、被災地の地元企業と地域外の企業が共同で施工体制を確保する仕組みを整えるのが狙いとなる。

運用基準は試行段階をほぼ踏襲する。地元企業が1者以上いれば2~3者でJVを結成可能。各構成員の施工能力は同程度と定め、経営事項審査の点数や等級、工事実績を参考に発注機関が判断。「地元」の範囲も被災状況や技術者・技能者の不足状況を踏まえ発注機関が定める。通常のJVより技術者要件を緩和する措置も講じる。

地元企業だけでは施工体制の確保が難しい状況にある期間に適用すると明示。対象工事には発災してからの期間が短かったり局所的な被害だったりして激甚災害の指定を受けていない大規模災害の関連工事も含める。大規模な工事と技術的難易度の高い工事は適用除外とする方針で、具体的にWTO政府調達協定の対象工事と特定JVの対象工事を例示した。

災害対応力の強化策の一環で公共工事入札契約適正化法(入契法)の適正化指針にも関連事項を追記する。JV準則の制度改正に合わせて指針変更の閣議決定が行われる見通しだ。

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