2022/03/18 関東整備局/21年度大雪対応、地域建設会社と連携し車両の立ち防止

【建設工業新聞  3月 18日 4面記事掲載】

◇コロナ禍と除雪作業の両立に苦慮

本年度は関東地方で例年に比べて除雪の作業量が増えている。年末年始には長野県や群馬県の北部で大雪となったほか、年明けには南岸低気圧の通過により南関東でも大雪となり、東京都内で4年ぶりに積雪10センチを観測した。主要国道を管理する関東地方整備局では地域建設企業とも連携し、除雪に注力するとともに、早期の情報発信で車両の立ち往生の発生防止などに取り組んだ。

関東整備局のまとめによると、今冬の除雪作業延べ日数は218日(2月20日時点)。昨年同期と比べ54%増加した。このほかに凍結防止剤散布は37%、歩道除雪に至っては116%も増えており、受発注者双方で除雪関連作業の負担が増えている。

除雪業務を担う建設企業の作業負担軽減のため、国土交通省は昨年12月に少雪時でも固定的に発生する経費を積算計上する新たな仕組みを導入した。除雪作業経費と待機費の合計が固定経費を下回った場合は差額を計上可能にしている。雪の多い群馬県北部を所管する高崎河川国道事務所によると、管内では国道17号三国方面や国道18号碓氷方面で新制度を適用する見込みだという。

関東整備局では、主要国道での車両の立ち往生発生を防ぐため、早い段階での情報発信に力を注いだ。2020年12月に関越自動車道で発生した大雪による大規模な立ち往生を教訓に、SNS(インターネット交流サイト)などを活用し、通行止めや冬用タイヤ着用の呼び掛けを強化。峠などでのタイヤチェックとチェーン指導も大幅に増やした。出先事務所だけでなく、本局からもテックフォース(緊急災害対策派遣隊)による支援を展開している。

大雪が予想される場合には、気象庁や高速道路会社と共同記者会見を開いて注意を喚起。降雪時には本局と高速道路会社、出先事務所をオンライン会議システムで常時接続し情報共有に努めた。注意喚起の記者発表の実施は、21年12月16日~22年2月13日で10回に及ぶ。年末年始や年明け以降の大雪では幹部をはじめ、災害対応に当たる職員が局内や近くの宿舎で待機し雪に備えた。

除雪作業に当たる地域建設企業は、新型コロナウイルス感染対策を徹底しつつ、除雪作業に当たった。降雪の多い群馬県では群馬県建設業協会が会員企業による24時間対応の除雪体制を3月末まで継続。感染対策のため除雪機械の操作部のアルコール消毒や換気などを行いながら、地域の安全・安心の確保に努めている。

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