2022/04/11 与党/強靱化5か年対策後見据え議論本腰、検討組織発足

【建設工業新聞  4月 11日 1面記事掲載】

地震や豪雨など大規模災害の多発を受け、与党は2025年度までの「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」後も国民の安全安心を確保し続けるため、議論に本腰を入れる。自民党では国土強靱化推進本部(本部長・二階俊博衆院議員)の下部組織として「国土強靱化の着実な推進に関するプロジェクトチーム(PT)」が3月に発足。公明党でも近く検討組織を立ち上げる予定という。

昨年10月、自民党の二階推進本部長と公明党の石井啓一幹事長が会談。防災・減災、国土強靱化について検討するPTの立ち上げを確認した。当面は党ごとに議論していくが、将来的に両党の検討組織を統合し、与党全体のPTに発展するとみられる。統合に伴い、国土強靱化に関する政策提案力や政権への影響力が強まる公算が大きい。

自民党のPTは佐藤信秋参院議員が座長を務めている。これまで国土交通省や農林水産省など関係省庁へのヒアリングを実施してきた。国土強靱化推進本部でも地方自治体から意見を聴取している。

PTと本部はそれぞれ月2回程度のペースで会合を開き、強靱化対策に関する意見や要望を民間事業者も含め幅広く拾い上げる方針。5か年加速化対策後も強靱な国土づくりを継続するため、論点を整理していく。

自民党はこれまで、選挙公約に強靱化対策を位置付けてきた。今夏には参院選挙を控えており、PTや本部での議論が新たな公約に反映される可能性もある。

PTの会合に出席した議員からは現行の5か年加速化対策の予算に対し「補正予算ではなく当初予算計上にしてほしい」との声が上がっている。計画的、安定的に事業を執行するだけでなく、インフラ整備などを担う建設関連産業の事業予見性を高めるためにも、当初予算での事業費確保は重要な課題となる。

国の当初予算は上限(概算要求基準など)があり、配分には社会保障費など他の用途との調整がある。ただ災害大国とされる日本では、国土強靱化は国民の安全安心を守る上で必要不可欠な政策といえる。しっかりと予算を確保し、着実に事業を執行していくことが求められる。

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