2022/04/25 建設発生土リサイクル協/長期ビジョン策定へ、改良土増加目指す

【建設工業新聞  4月 25日 2面記事掲載】

全国建設発生土リサイクル協会(赤坂泰子理事長)は2050年を目標年次とする長期ビジョンの策定に乗りだす。工事現場から場外に搬出した建設発生土の再利用方法で、一部にとどまる土質改良土の割合を増やすのが目的。建設発生土関連事業に携わる技術者の育成や、一般の認知度が低い業界のPRに注力していくための課題や取り組みなども盛り込む予定だ。今秋に長期ビジョンを策定し公表する。

国土交通省が20年9月に策定した「建設リサイクル推進計画2020」で紹介している18年度建設副産物実態調査結果によると、建設発生土の発生量は約2億9000万立方メートル。約1億6000万立方メートルが現場内で有効利用し、残る約1億3000万立方メートルは現場から搬出されている。土質改良プラントを経て再利用される改良土は現場搬出分のわずか3%(383万立方メートル)にとどまる。

同協会は土質改良土やストックヤード事業の普及に注力している。長期ビジョンの策定に先立ち会員に実施した実態調査の結果(昨年12月17日時点)によると、建設発生土事業を手掛ける95社のうち土質改良プラント事業とストックヤード事業の両方を実施しているのは21%の20社。土質改良プラント事業に特化しているのは55%の52社、ストックヤード事業のみが24%の23社となっている。

土質改良プラントとストックヤードによる20年度の受け入れ量と出荷実績も集計した。土質改良プラントは回答した65プラントの原料土受け入れ量が587万立方メートル(公共工事52・6%、民間工事47・4%)、同64プラントの出荷量が145万立方メートル(同61・9%、同38・1%)。ストックヤードは同26施設の受け入れ量が55・7万立方メートル(同63・3%、同36・7%)、同22施設の出荷量が35・8万立方メートル(同42・6%、同57・4%)だった。

同協会はこれらの調査結果を長期ビジョンの策定で参考にする。10月21日に東京都千代田区のホテルニューオータニで開く「土サミット2022」までに策定を目指す。

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