2022/05/19 富山建協/技術者・技能者充足率が上昇、不足傾向に変わりなく

【建設工業新聞  5月 19日 9面記事掲載】

富山県建設業協会が技術職、技能職について採用予定数と採用数から充足率を算出したところ、新卒者の充足率が少しずつではあるが年々上昇していることが分かった。2021年度の新卒者全体の充足率は20・9%。19年度(14・2%)と比較すると6・7ポイント上昇。20年度との比較でも5・7ポイント増えている=表参照。

ただ、上昇しているとはいっても、技術者、技能者が大幅に不足しているという傾向に変わりはない。

21年度の新卒者の採用予定数と採用数の違いを見ると、技術職は予定数394人に対し採用91人(充足率23・1%)で不足数303人。技能職は予定数179人に対し採用29人(同16・2%)で不足数150人。需要を満たすためには技術職・技能職を合わせ新卒者がさらに453人必要な計算になる。

必要な人数を満たせなかった分は翌年に繰り越されるため採用予定人数は年々増加していくと考えられ、充足率が低い傾向は今後も続くと推測される。

中途採用者は、新卒者と比較して充足率が高い傾向にあるが、それでも21年度は28・3%(予定数481人に対し採用136人)。19年度の44・9%、20年度の48・4%と比較して低水準となっているが、21年度は年度途中の数値。年度末にかけて採用数は増加していると考えられる。

富山建協は、技術者、技能者の充足率が低いことについて、「施工現場を支える技能労働者の確保は喫緊の課題。働き方改革など就労環境を改善するとともに、に建設業のやりがいや魅力を広く発信し、公務員や大手ゼネコン、他産業を志望する学生や生徒が地元建設業への就職を志すよう、引き続き働き掛けていく必要がある」としている。

充足率は、会員の雇用実態と経営状況を調べるために毎年行っている調査から算出した。21年度は21年9月7~24日に会員528社を対象に実施。回答数は391社(回答率74・1%)だった。

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