2022/05/24 政府/洋上風力事業者選定手続き見直し、落札数制限を公募中案件にも適用

【建設工業新聞  5月 24日 1面記事掲載】

政府は洋上風力発電の事業者選定手続きを大幅に見直す。複数の区域で同時に公募する場合、1者による落札数に制限をかける。再エネ海域利用法に基づき、既に事業者公募を始めている促進区域「秋田県八峰町および能代市沖」にも適用すると明らかにした。次回以降の公募では、事業者が提案する電力供給価格への評価方法も改善。著しく安い価格を提示した1者による総取りを防止する。

交通政策審議会(交政審、国土交通相の諮問機関)と総合資源エネルギー調査会(経済産業相の諮問機関)がそれぞれ設置した有識者会議の合同会議を23日にウェブで開催。事業者選定手続きの見直し案を示した。

落札数の制限は、あらかじめ1者が落札できる発電出力の上限を決めておく形式を取る。まず各区域の提案を審査し、点数で評価。複数の区域で同じ事業者が最高点を得た場合、制限の対象になる。

この事業者には次点の事業者との点数の開きが大きい区域を優先して割り当てる。各区域の発電所出力の合計が上限に達した段階で、割り当ては終了。他の区域では、次点の事業者を選定する。

電力供給価格への評価方法も改める。あらかじめ「最高評価点価格」と称する価格を設定。事業者が提案する供給価格が最高評価点価格を下回る場合、一律で満点を与える運用にする。

最高評価点価格は区域ごとに、経産省が設置している有識者会議「調達価格等算定委員会」(委員長・高村ゆかり東京大学未来ビジョン研究センター教授)で決める。

事業実現性に対する評価項目も再編する。「事業計画の迅速性」を新設し、早期の運転開始を高く評価。従来あった「事業実施実績」の項目は、国内の事業事例が少ないため削除する。

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