2022/06/06 政府/アナログ規制見直し、現場技術者専任やインフラ目視点検

【建設工業新聞  6月 6日 1面記事掲載】

政府はデジタル技術の活用で既存規制の緩和、合理化を目指す「一括見直しプラン」をまとめた。アナログ的な規制を定める法律、政省令の約7割に当たる3895条項の見直し方針を確定。国土交通省所管分野では工事現場の監理技術者・主任技術者の専任、道路や河川などインフラの目視や定期点検、建築物の中間・完了検査などに関する規制を見直す。今後3年を集中改革期間と位置付け迅速に対応。法改正が必要なものは早ければ次期通常国会に提出する。

政府のデジタル臨時行政調査会(デジタル臨調)の3日の会合でプランを決定した。デジタル臨調と各府省庁の連携した点検により、政府全体で5354条項のアナログ規制を抽出。初弾として見直し方針を決めた3895条項以外は、技術的な検証や関係機関との調整を踏まえ年内にも方向性を固める。

法改正が必要なものは現時点で約350条項。政府は2023~25年の通常国会に一括的な法案提出を視野に入れる。政省令の改正手続きは随時行う方針で、すぐに対応可能なものは年内改正を目指す。

建設業法で定める監理技術者などの専任を巡っては、ICTを活用し兼任を可能とする仕組みの創設を盛り込んだ制度見直し方針を国交省が先月公表した。国交省によると業法改正が必要となるが法案提出時期は今後詰める。

インフラの目視点検はドローンや水中ロボット、画像解析などで点検・監視する方法に切り替え、管理業務の効率化と高度化、安全性の向上を目指す。特定元方事業者による作業場所の巡視は定点カメラやモバイルカメラを活用した遠隔監視を認める方向だ。

特定建築物の建物・設備の定期調査・検査や港湾施設の定期点検など、定期的な実地対応を必要とする規制を見直し、常時監視や自動チェックを可能にするデジタル技術の活用を新たに位置付ける。これまで役所などに出向かないと確認できなかった建設業者の提出書類は、建設業許可申請の電子化によりシステム上での閲覧を可能にする。

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