2022/06/08 政府/骨太の方針・新しい資本主義実行計画を決定、国土強靱化への投資加速

【建設工業新聞  6月 8日 2面記事掲載】

政府は7日の閣議で、2023年度の予算編成方針を示す「経済財政運営と改革の基本方針2022(骨太の方針)」と、岸田政権の看板政策「新しい資本主義」の実現に向けた「グランドデザイン及び実行計画」を決定した。いずれも国民の安全と安心を確保するため、国土強靱化や防災・減災への投資加速を盛り込んだ。「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」後も中長期の対策を引き続き明示する重要性が書き込まれるなど「強靱化政策にとってかなり踏み込んだ内容になった」(政府関係者)という。

大規模災害の多発などを踏まえ、防災・減災、国土強靱化施策に必要・十分な予算を確保すると明記。防災・減災、5か年加速化対策を引き続き着実に推進する。5か年加速化対策後も中長期の対策見通しを明示する重要性を勘案し、国土強靱化政策の根幹となる次期「基本計画」を検討していくとした。

近年の災害を踏まえ、盛り土対策や災害に強い交通ネットワークの構築、あらゆる関係者が協働する「流域治水」の取り組みを推進する。

骨太の方針では、生産性の高い社会資本整備にも引き続き力を注ぐとした。i-Constructionの推進などインフラ分野のDXを加速。新技術導入による予防保全型メンテナンスへの転換を目指す。建設キャリアアップシステム(CCUS)や施工時期の平準化による処遇改善などで建設産業担い手の育成・確保を図る。

官民連携の強化策として、PPP/PFIの活用拡大を目指す。先般策定したアクションプランに基づき取り組みを抜本的に強化。特にコンセッション(公共施設等運営権)で対象拡大や支援策の充実などに取り組む。

新しい資本主義実現のためのグランドデザインと実行計画では、成長と分配の好循環を創出するため、賃上げなど人への投資を強化。中小下請企業の取引適正化も促す。年金積立金のインフラ投資への活用、GX(グリーントランスフォーメーション)の強化なども盛り込んだ。

同日、規制改革実施計画も閣議決定した。建設業で技術者資格の要件や配置・専任要件を見直す。目視や定期検査・点検、対面デジタル化を阻害する規制も緩和する。スーパーシティー構想の具体化に向け、今夏をめどに指定地域ごとの区域会議を立ち上げる。再生可能エネルギーの導入を促す措置なども記載した。

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